「ママのそれ......モラハラだと思うんだ」
「モラ......ハラ? 私が?」
これは、夫との正しいつきあい方が分からなくなって家庭を壊した私の、後悔の記録です――。
KADOKAWAから発売された『夫にキレる私をとめられない』(いくたはな)は、夫にモラハラをする快感を覚えてしまった妻が、自分の内面を見つめ直し、再び真っ当な夫婦生活を取り戻そうとする様子を描いたエッセイマンガだ。
いくたさんは、夫と二人の子どもと暮らす兼業主婦。長男出産以降、会社では時短勤務になって出世の道が閉ざされ、非協力的な夫のせいで家事も育児もワンオペ状態で、辛く過酷な日々を送っていた。
ところが、次男出産を機に夫が覚醒する。出産のためいくたさんが入院している間、一人で長男の面倒を見たのがきっかけで、ひとりで子どもと向き合うときに感じる「さみしさ」を知ってくれたのだ。
「ママの入院中に長男とすごして、ようやくママの気持ちが分かった気がします。これからは一緒に子育てをさせてください」
これまでの苦労が、夫にようやく理解された瞬間だった。
それから、夫は本当に変わった。長男が生まれた頃には飲んで朝帰りが基本だったのが、炊事洗濯育児となんでもしてくれるようになった。長男の時にはわたしに任せっきりだったことも、この頃になるとふたりで協力して子育てができていた。すっかりイクメンになった夫のことを、周りのひとも「いいパパね」と褒めてくれる。
だけどさ。わたしの方がもっともっと大変だったんだから。鏡に映る自分の疲れきった顔を見るたびに思う。「わたしの方がえらいんだ」って――。
他人から見ても妻のわたしから見ても完璧なパパになった夫。それを素直に喜べない。なんか......面白くない。
そんな考えを持ち始めると、わたしの言葉は鋭い矢に変わっていった。たとえば子育て中、雑談をはじめた夫にすかさず放つ。
「あのさぁパパ。こんな時期くらい自分の話我慢しなよ。長男と話してる時は静かにしてて。子ども優先でしょ? そんなに自分の話を優先したいの? 待てるよねぇ?」
「......うん......待てるよ。ごめん......」
せっかく頑張ってくれている夫に、こんな言い方は良くない。でもわたし......今すっごく気分がいい!
「自分の辛さを分かってほしい」という気持ちが、いつの間にか「夫を苦しめたい」という気持ちに変換されてしまう。ダメだと分かっていても、夫への言葉の暴力をやめられない――。
自分でも意識しないままモラハラ妻になってしまったいくたさん。なぜそうなってしまったのか? どうすれば、そんな自分を止めることができるのか? 自分の過ちを客観的に見つめ直す、モラハラ加害者による懺悔と後悔が記された作品だ。
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