遅刻や急な欠勤の連絡は、電話? LINE?
こんな疑問に、皆さんならどう答えるだろう。緊急連絡なのだから電話? それとも、手軽に送れるLINEが正解だろうか?
『テレワークも業務改善もさっぱりわからない私に新しい働き方を教えてください!』(朝日新聞出版)は、こんなふうに、デジタル化を筆頭にした「新しい働き方」が広まったことによる仕事の疑問を、ていねいに解消してくれる。
監修者の沢渡あまねさんは、ワークスタイル&組織開発の専門家であり、あまねキャリアのCEO、浜松ワークスタイルLab所長など複数の肩書きを持つ。
今回は、新しい働き方に関するよくある悩みに沢渡さんが回答しているパート「教えて! 沢渡先生」から、働く人が特に直面しそうな3つの悩みを抜粋して紹介したい。
悩み1:遅刻や急な欠勤のお知らせは電話?LINE?
沢渡さんの答え:その状況において、最速かつ確実に伝達できる手段を使いましょう。
遅刻してしまい出勤時間に間に合わなそうなときや、急な体調不良などで欠勤するときは、電話で伝えるのが誠意と感じる人も多いかもしれない。
けれど、沢渡さんは、「会社の方針や自分が置かれた状況で、できるだけ早くて確実な手段であれば何でもいい」と断言。メールやLINEは失礼かもと心配する相談者に対して、次のように答えている。
「LINEを共通のコミュニケーションにしている組織なら、LINEでもよいと思います」
「体調の悪い人に、つながるかわからない手段で連絡させるよりは、こまめにチェックしているLINEのほうがふさわしいのではないでしょうか」
組織によっては、Slackやチャットワークなど、LINE以外のチャットツールを利用しているところもあるだろう。部下からの欠席連絡を受けることもあるかもしれない。そこで「電話にすべき」とかたく考えず、臨機応変に対応したい。
悩み2:長く同じ職場にいて、注意されなくなりましたが、自分のマンネリ化にどう気づいたらいい?
沢渡さんの答え:思い切って違う環境に身を置きましょう。自分を客観視でき、気づきにつながりますよ。
長く働いてきて、「ベテラン」と呼ばれる立ち位置になってくる年代ならではの悩みもある。
その職場でずっと働き年次が上がってくると、周囲の人たちが忖度したり、本人も若手の意見を素直に聞けなくなったりし、いつのまにか考え方などが時代遅れになってしまうというケースだ。
それを防ぐ方法として沢渡さんが勧めるのが、企業を越えて同じテーマや課題をもった人たちが集まるプログラムに参加すること。会社を辞めるなどのリスキーな選択をしなくとも、普段と違う環境に身を置くことができる。
実際に、複数の企業の職位や年次の異なる人たちがグループワークで議論することで、参加者が最近の若手の感覚に気づき、部下の言うことを素直に聞けるようになることがあるそうだ。
リモートワークや副業、デジタル化など、「働き方改革」による新しい働き方は多くの職場で始まっている。だが、それがすっかり定着し、従業員みんながストレスなく順応できているというところは、意外に多くないのかもしれない。
急激な変化についていけない......と困惑している人にとっても、本書で紹介している多くの視点が、明日からの仕事のヒントになってくれるはずだ。
(文・犬飼あゆむ/ライター)
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