NHKで放送中のドラマ『正直不動産』が話題だ。主演の山下智久さんらのコミカルな演技を楽しみながら、不動産業界のリアルを描いたストーリーに触れられる骨太な構成が人気を呼んでいる。山下さん演じる永瀬財地は、嘘もいとわないセールストークで成績ナンバーワンを維持し続けるやり手の営業マンだった。ついたあだ名は「ライアー永瀬」。ところが、とあるきっかけで、嘘がつけない体質になり......? ドラマが進むにつれて、不動産業界の「闇」が見えてくる。
その『正直不動産』で描かれる住宅営業の世界を、業界のベテランが赤裸々に綴った書籍『注文住宅は担当者が9割』(藤吉郎)が、2022年5月1日、文芸社より発売された。
著者の「藤吉郎」さんは、某ハウスメーカー・工務店で住宅営業として15年間勤務、150件の引渡しを経験した元住宅営業マンで、現在も住宅業界の仕事に従事している。
藤吉郎さんの勤める住宅業界は「クレーム産業」と言われるほど、顧客とのトラブルが多い世界。特に、一生に一度の買い物である注文住宅に関しては「言った・言わない」で揉めることが多く、裁判にまで発展するケースが全国的に後を絶たないという。
基礎業者が老眼で数字を見間違え、家を建てる場所が1メートルずれたことに、完成してから気がつく。現場見学にきた奥さんの頭に木材が直撃する。2階にリビングを作ったのに、冷蔵庫が階段に入らない......。いずれも本書に掲載されている実際に起きた事件だ。想像するだけで冷や汗が出てくる。
こんなトラブルに巻き込まれないためには、どうすればいいのだろうか。
藤吉郎さんは、書籍のタイトルにもあるように、「注文住宅は担当者が9割」だと語っている。良い営業マンに担当してもらえれば、注文住宅は上手くいく。大切なのは、『正直不動産』に登場するような、悪徳営業マンに引っかからないことなのだ。
では、どうすれば良い営業マンを選べるのか。藤吉郎さんは、その秘訣として、「アンケートを書かない」こと、「資料請求をしない」ことの二つを挙げている。
住宅会社に見学に行くと、入口で必ず「アンケートのご記入をお願いします」と言われる。だが実は、アンケートを記入すると、優秀さとは関係なく、たまたまそこにいる営業マンが担当になってしまうのだ。いったん担当が決まってしまうと、仮に他の店舗に見学に行っても、既に担当者が登録されていることが確認できるので担当は変わらないという。
カタログの資料請求にも同じリスクがある。実は、顧客が資料請求した時点で、不動産会社は担当者を決めている。そして資料請求は「売れていない営業」か 「新入社員」が担当することがほとんど。売れている営業や人気のある担当者、店長は忙しいので、資料請求を担当する時間はあまりなく、手の空いている新人や、売れていないため、時間のある営業さんに渡してしまう。
つまり、資料請求をしたり、ふらっと見学にいったりといった接触の仕方では、優秀な担当に出会える確率はそこまで高くない。むしろ、不満が残る確率が高まってしまうのだ。
では、優秀な営業マンを自分達の営業担当にするにはどうすれば良いのか......? それは、ぜひ書籍で確かめてほしい。
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