5月に90歳を迎える樋口恵子さんの大人気エッセイ『老(お)~い、どん! あなたにも「ヨタヘロ期」がやってくる』の続編、『老~い、どん!2 どっこい生きてる90歳』(婦人之友社)が発売された。老いを明るく生き抜くヒントがたっぷり詰まった楽しく読める1冊だ。
超高齢社会の日本では、平均寿命と健康寿命の差はおよそ10年とされる。樋口さんはこの年を「ヨタヘロ期」と名付け、自らもまさにヨタヘロ期を突き進む。そんな樋口さん自身も階段からの転落事故や一族残党の墓じまいなど格闘することが日常に溢れているという。
盟友・坂東眞理子さん(昭和女子大学理事長・総長)との対談「ヨタへロ期のたしなみ」では、「70代は老いの華」「小学校にジジババ食堂を!」「貧乏ばあさん問題」など、老いのあとさきを収録している。
2人の対談の一部は以下の通り。
70代は老いの華
樋口 70代は「老いの華」ですよ。もうすぐ90にかかろうとする私からすれば、70代はいくらでも働けた時代です。
坂東 これは最高のメッセージです! とても力づけられました。
樋口 私、ぽーんと花火を上げますから。
坂東 あとはちゃんとやれよ、と(笑)。
樋口 そうそうそう。花火だけは上げて死にますから、形にしてくださいね。
ジジババ食堂をつくろう
樋口 85を過ぎて夫もいなくなると、女性は低栄養状態になるのです。
坂東 食べものが女性高齢者の脆弱性を生んでいるのですね。いま、子ども食堂が話題になっていますが......。
樋口 同じように、ジジババ食堂をつくろう!
坂東 それをひとつの社会運動にしたいですね。
貧乏ばあさん解決法
樋口 「貧乏ばあさん」の問題もあります。
坂東 私は年金だけの生活より1週間に20時間でも働くことをおすすめしたい。2000万円貯蓄をするより、毎年100万円ずつ20年間稼ぐ。その体力をつくっておく。そういった用意のほうがよほど大事だと思います。
見果てぬ夢をみる
樋口 夢が叶うのが70代、夢を引き継ぐのが90歳ね。
坂東 ぜひぜひ、一緒にいろんなアイデアを実現させましょう。
盟友だという坂東さんとの対談では、樋口流のヨタヘロ期の楽しみ方がギュッと詰まっている。問題はあれど、力強く生き抜く姿には、年齢を重ねることをポジティブに感じさせてくれる。
樋口さんのプライベートの様子も掲載。リハビリ体操のパーソナルトレーニングやデスクワークの様子は生き生きとしている。
自身のヨタヘロぶりをユーモラスに綴る樋口さん。老いの現実を受け止めつつ、元気に生きる姿には、私たちも勇気づけられる。
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