春から新学期がはじまったばかり。新しい学校や教室に、わくわくしている子どもたちもたくさんいることだろう。
友だちづくりや勉強が楽しくなる、入学・進学祝いにおすすめの8作を紹介したい。
『となりのせきのますだくん』(ポプラ社)
武田美穂 作・絵
みどりのかいじゅう姿の男の子に、なんだか見覚えのある方もいるのではないだろうか。『となりのせきのますだくん』が刊行されたのは1991年。それから30年間、たくさんの子どもたちに読まれ、愛されてきた。
「あたし きょう がっこうへいけないきがする。」となりの席のますだくんは、なにかとみほちゃんをいじめてくる。いつの時代も変わらない、子ども同士の関係性が描かれた傑作絵本。友だちと仲良くなれない子の背中を、そっと押してくれる。
『マリー さんぽにいこっ』(新興出版社啓林館)
とうやあや 作/藤田ひおこ 絵
引っ越しをして、前の学校の友だちとはなればなれになったなずちゃん。あーあ、引っ越しなんてしたくなかった。マリーの散歩に行く気分にもなれないけれど、マリーは散歩が大好きなんだよね。「しょうがないなー。じゃあ いこっか。」何か、楽しいことがあるかも。
新学期、新しい環境に不安を感じている子も少なくないはず。でも、思いきって一歩踏み出してみると、ちょっとだけ世界が変わるかもしれない。そんな勇気と希望を与えてくれる一冊だ。
『なかよくなれるかな』(新興出版社啓林館)
今井福子 作/いつか 絵
1年生にとって、6年生はうんと大人に見えるもの。6年生のお兄さん、お姉さんとも、仲良くなれるだろうか?
小学1年生のれなは、学校の飼育小屋にいるウサギに会いたいと思っている。でも、飼育係の6年生のお兄さんが怖くて、会いに行けない。でも、勇気を出して話しかけてみたら......? この本を読めば、学年のちがう人も少し身近に感じられるはず。
『1ねん1くみの女王さま おたのしみ会で大さわぎ』(学研プラス)
いとうみく 作/モカ子 絵
「ぜったい大なわとびがいい!」「ドッジボールのキャプテン、わたしがやる!」わがままな「女王さま」ことひめかちゃんに、1年1組のみんなは今日もふり回されて大さわぎ。だけど、なんだかにくめない。
読者の子どもからは、「わたしのクラスにも、こういう子がいる!」という声も。学校は、いろんな子がいるから面白い。ドタバタ楽しい小学校生活を描いた話題作。発売即重版となった1作目に続く、待望のシリーズ第2弾だ。
『なぜなぜ、どうして? しょくぶつのひみつ』(主婦の友社)
佐々木知幸 監修
「花がさくのは、人を楽しませるため?」「モミジはどうして赤くなるの?」「地球から植物がなくなったら、どうなる?」公園や学校など、子どもの身近にある植物たち。植物に関する「なぜ? どうして?」にわかりやすくこたえる本だ。
前半はクイズ形式で楽しく。後半は読みものが中心で、読む力をつけることができる。小学1年生の漢字とふりがなで、はじめて長い文章にチャレンジするのにぴったりだ。小学3年生から始まる「理科」の知識も入っているので、子どもの好奇心が新しい教科の勉強につながる。
『ナショジオキッズ 大きな写真で楽しむ はじめてのわくわく図鑑 宇宙編』(株式会社エムディエヌコーポレーション)
キャサリン・D・ヒューズ 著/デイビッド・A・アギュラー イラスト/新宅広二 翻訳・監修
身近な植物を知ったら、つぎは遠い宇宙へ出かけよう。自然科学雑誌『ナショナルジオグラフィック』の児童書「ナショジオキッズ」シリーズから、宇宙編だ。天体にわくわくする子どもは多いはず。
地球をはじめとした太陽系の惑星、銀河やブラックホールまで、さまざまな天体を、片面1ページをまるごと使った大迫力の写真で見ることができる。また、最新情報を盛り込んだ解説は、ナショナルジオグラフィックならでは。宇宙にあこがれる子どもにぴったりの入門書だ。
「やさしく わかる 性の えほん」全3巻(金の星社)
『あかちゃんは どこからくるの?』
『じぶんの からだは どんな からだ?』
『すきって どんなきもち? いやって いえるかな?』
田代美江子 監修/せべまさゆき 絵/WILLこども知育研究所 編著
子どもに聞かれたとき、どう答えたらいいかわからない、「性」のこと。いのちや性、体についての正しい知識を、子どもにわかりやすく伝える絵本が話題だ。
「赤ちゃんってどこからくるの?」精子と卵子の出会いから出産までをていねいに追う、第1巻。「わたしにはどうしておちんちんがないの?」ひとりひとりちがう体。大切な体を守るための権利を学ぶ、第2巻。「知らない人に声をかけられたら、なんで逃げなきゃいけないの?」人と人との関わりを知り、「好き」や「いや」を伝えられるようになる第3巻。ぜひ、親子で読んで学んでほしい。
『こぐまのクークものがたり ともだちと森のレストラン』(KADOKAWA)
かさいまり 作・絵
最後に紹介するのは、楽しい友だちと、はじめての知識がいっしょにつめこまれた本。こぐまのクークのおうちは、おいしいレストランだ。森の友だちとすごす、クークのあたたかい毎日。ときどきしょんぼりしていると、父さんと母さんがおいしいごはんを作ってくれる。『魔女の宅急便』で知られる角野栄子さん推薦の児童書だ。
本書にはお話のほかに、クークの料理のレシピものっている。はじめての料理にチャレンジだ。たくさん本を読んで心が満たされたあとは、クークといっしょにおやつを作って、お腹もいっぱいになろう。
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