くつを買うと服やバッグも欲しくなる、お守りは金額が高い方がご利益がありそうな気がする、ボタンを「押すな」と言われるとつい押したくなる......。あなたも身に覚えはないだろうか。
こうした心理は、行動経済学で説明できるという。近年ではこうした人の経済活動に関する心理学の研究が進み、意図的に応用するようになってきた。身近な例から行動経済学を学べるのが本書、ゼロからわかる 知らないと損する行動経済学』(日本文芸社)だ。
行動経済学を学ぶことで、次の6つのメリットが期待できる。
メリット1「お金が増える」
メリット2「売上がアップ」
メリット3「節約・貯金ができる」
メリット4「人を動かす」
メリット5「投資に失敗しない」
メリット6「幸福感が高まる」
「経済」と聞くと難しそうに感じるが、日々の生活は経済活動と切り離せない。普段、ついやってしまがちな自分の行動を行動経済学の視点から顧みることで、賢いお金の使い方、貯め方、増やし方を身につけることができるのだ。
本書では、経済行動学を活用できる場面を、実際にありそうなシーンを例にして紹介していく。例えば、以下も行動経済学で説明できる。
◎お守りは高いほうが効く?
◎「押すな」と言われると押したくなるボタン
◎人は「得」より「損」のほうを気にしている
◎人は鳥居の前でゴミを捨てない
◎松竹梅では「竹」がもっとも売れる
◎じつは、美容室はコンビニの○倍ある
◎ギャンブルにはまるメカニズム
◎身近な企業に投資したくなる心理
◎ネット通販には行動経済学のワナがいっぱい
◎本当に売りたいものは「○番目」に見せる
◎成績を上げたいならボーナスは先に渡す
◎結婚はするほうが「得」?しないほうが「得」?
◎「収入が上がったら幸せになれる」はウソ?
◎数字の並びに意味を見つけようとする人の心理
◎貯金ができないのは○○のせい
◎くつを買うと、服やバッグまでほしくなる心理
最近、よく耳にする「ナッジ」。ナッジとは、「行動経済学の知見を利用して、強制的にではなく、人が自発的に望ましい行動を選択することを促す考え方・手法のこと」を指す。本書では、具体的な応用例なども紹介している。
打ち合わせで話を切り上げるタイミングに困る、というときは、「ピークエンドの法則」が使える。ピークエンドの法則とは、「過去の経験をその経験のピークのときにどうだったかと、それがどのように終わったかで判定する」という法則。経験したことの印象は、よかったこと悪かったことの総量ではなく、どう盛り上がったかどう終わったかで決まるという。
つまり、打ち合わせは話が盛り上がっている時にこそ切りあげるのが吉だ。「もう少し話したい」と感じると、印象が強く残る傾向がある。相手に良い意味で「物足りない」という印象を与えて、「あなたともっと話したい」という感情を持たせることができる。仕事だけでなく、恋愛でも使えそうだ。
他にも、「結婚・プロポーズはするほうが得?しないほうが得?」など、 行動経済学と幸せにまつわるテーマも明らかに。これもまた気になる。
本書の目次は以下の通り。
はじめに
PART.1 経済は感情とイメージで動いている
PART.2 経済を動かす人の性質「損失回避性」
PART.3 人の不合理な判断システム
PART.4 読むだけでお金が増える経済心理
PART.5 ビジネス・マーケティングで使える行動経済学
PART.6 幸福感のあるお金の増やし方・使い方
行動経済学の知識があると、仕事だけではなく私生活でも得することができる。人間とはこういうものだ、なんて普段はなかなか考えないが、踏み込んでみるとハマりそうだ。
■ポーポー・ポロダクション プロフィール
「人の心を動かすようなおもしろくて楽しい良質なものを作ろう」をポリシーに、遊び心を込めた企画を考え、映画・ゲーム・アミューズメント・ファッション・スポーツなど多様な業種と関わりを持ちながら、書籍などを手がけている。
心理学・色彩心理学・行動経済学を研究、様々な学問を横断的に活用し、商品開発や企業のコンサルティングなども行なう。著書に、『「色彩と心理」のおもしろ雑学』(大和書房)、『マンガでわかる色のおもしろ心理学』『マンガでわかる人間関係の心理学』(以上SBクリエイティブ)、『色と性格の心理学』『決定版色彩心理図鑑』(以上日本文芸社)などがある。
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