これは、究極の自己啓発本だ。
「欽ちゃん」ことタレントの萩本欽一さんが、後輩タレントやスタッフなど、関わってきた人々にかけた珠玉の言葉たちをまとめた本『一流の人たちの人生を変えた「欽」言』（主婦と生活社）が発売された。欽ちゃんの言葉で人生が変わった69名に取材したのは、「欽ちゃんのブレーン」として47年間一緒に歩んできた、放送作家の鶴間政行さん。人生で大切なことが、この1冊にぎゅっと詰まっている。
「欽言」を教えてくれたのは、新しい地図の香取慎吾さん・草彅剛さん、タレントの関根勤さん、小堺一機さんら、そうそうたる「欽ちゃんファミリー」の面々。本書から一部抜粋して、香取さんと草彅さんがかけられた「欽言」をご紹介しよう。
萩本さんを「僕の師匠」と言う香取さん。レギュラーとして初共演した『よ！大将みっけ』（フジテレビ系、1994年放送開始）で、萩本さんが香取さんにかけた言葉がこれだ。萩本さんは香取さんの瞬発力を見抜き、「思った最初の言葉を言いなさい」とアドバイスした。考えて言うと変な「間」ができて、ウケるのが難しくなるためだ。香取さんは萩本さんの助言を吸収し、瞬時の返しが光るタレントとなった。
草彅さんが萩本さんとレギュラーで初共演したのは、『欽きらリン530!!』（日本テレビ系、1988年放送開始）。SMAP結成と同じ年で、草彅さんは当時中学2年生だった。同番組からはアイドルグループ「CHA-CHA」が誕生し、草彅さんはその前身「茶々隊」に参加していた。ところが萩本さんは、草彅さんに「そっち行っちゃダメだよ」と言い、結局草彅さんはCHA-CHAのメンバーからは外れることになる。当時草彅さんは「そっちって、どっちなんだろう？」と思ったそう。萩本さんは相手に自分で考えさせるために、正解を教えないのだ。萩本さんの助言から自分で考えてきて、今の草彅さんがある。
ほかにも、「緊張しないやつは信用しないから」（小堺一機さん）、「面白くならなくていい、やさしくなりなさい」（勝俣州和さん）などなど、珠玉の「欽言」が盛りだくさん。タレントだけでなく、放送作家や番組ディレクターなどへの言葉も胸に響く。
萩本さんの言葉は、あなたの人生をも変えるかもしれない。ページをめくって、欽ちゃんの魔法にかけられてみては。
【目次】
1章 座右の銘となっている「言葉」
2章 背中を押してくれた「言葉」
3章 人生観を変えた「言葉」
4章 仕事とは何かを教えてくれた「言葉」
5章 自分を飛躍させてくれた「言葉」
6章 そのときはなんだかわからなかった「言葉」
7章 こうありたい、欽ちゃんの「考え方」
■鶴間政行（つるま・まさゆき）さんプロフィール
放送作家。1954年埼玉県熊谷市生まれ。東洋大学在学中に放送作家を志して萩本欽一に師事する。欽ちゃん宅に5年間の居候修行を経て放送作家として活動開始。以後、『欽ドン！良い子悪い子普通の子』『欽ちゃん＆香取慎吾の全日本仮装大賞』『SMAP×SMAP』『王様のブランチ』など、多くの人気テレビ・ラジオ番組を担当。現在は『超逆境クイズバトル!!99人の壁』『キニナル金曜日』なども手掛ける。長寿番組『ごきげんよう』のサイコロトークの発案者としても、業界では名高い。
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