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「週刊文春WOMAN」が高コスパ。40~50代女性が読みたいこと、詰まってます!

週刊文春WOMAN 2022 創刊3周年記念号

   「週刊文春WOMAN 2022 創刊3周年記念号」が2021年12月21日に発売された。

   巻頭カラーページのテーマは、「紙の雑誌だからできること」。雑誌が次々と休刊する時代、紙に印刷された「じっくり醸成されたことば」だからこそ、伝わることがあるのではないかと、問いかける。

   谷川俊太郎さんの詩「雑誌考」と、創刊号から担当している香取慎吾さんの表紙画とインタビューとで「紙の雑誌だからできること」を表現。インタビューページは、青空をバックにした躍動感あふれる姿と、大きな表紙画がデザインされ、多彩な表情と共に「香取慎吾の今」をビビッドに伝える。

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「週刊文春WOMAN vol.12 2022 創刊3周年記念号」(文藝春秋)

僕の手の実寸大にすれば、表紙越しに手を合わせられる

   巻頭のインタビュー記事を読みながら、思わず、表紙に描かれた手に自分の手を重ねてみた。谷川俊太郎さんの巻頭詩の一節「データにはない紙の手触りは 日常の確かな手応え」を実感した。

   香取さんの髪は、短くカットされている。12月30日にNHKで放送される太平洋戦争80年・特集ドラマ「倫敦ノ山本五十六」で主人公の若き日の山本五十六を演じるからだ。ドラマ撮影で感銘を受けたことや役作りについて、自然体で語った。

   また、表紙裏は「香取慎吾 GUCCI愛を語る」。コロナ禍で外出しないから洋服も気にしなくていいという世界は危ない、「好きなものさえも忘れさせしまうような社会は、僕は嫌ですね」と、グッチのへの思いと共に語った。GUCCIを着こなしたアートのような写真はファン必見!

桜庭一樹の「少女を埋める」誕生秘話も

   特集「女が書く」では、脳科学者の中野信子さんが初小説を発表。特集の構成は以下の通りだ。

・衝撃の初小説! 中野信子「Gift」
・韓国女性文学のむき出しの正論〟に衝撃を受けた
「少女を埋める」誕生秘話 桜庭一樹×斎藤真理子×石津文子
・文学に政治を持ち込んで何が悪い? 温又柔、李琴峰 SNSのヘイトと戦う。
・梯久美子×河合香織 ノンフィクションは誰のものか?

   一見、硬いテーマに思えるものも、本音で語られていて、読めばぐいぐい引き込まれていく。

   気になる見出しがあったら、ぜひチェックしてほしい。ものすごい情報量が詰まっているのに、さくさく読める。

インタビュー・対談がとにかく面白い!


・望海風斗さん
   グラビア企画、旬な人が深くハマっている趣味について聞く連載「ハマる人 #05」に登場。2021年4月に宝塚歌劇団雪組を退団した望海風斗さんは、天海祐希さんに憧れて宝塚へ。でも、下級生の頃から「華がない」と言われ続けた望海さんがどのようにトップスターへと駆け上がっていったのかを明かしている。役作りで刺激になったのは、羽生結弦選手だという。そのワケは、本誌で確認を!

・柳楽優弥さん
   インタビュー「『回り道』が僕を作った」では、2004年カンヌ国際映画祭で、史上最年少14歳で最優秀主演男優賞を受賞してからの17年を語った。テレビでたけしさんが言った厳しい意見「あんまり最初にいいもん貰っちゃうともたねぇよ」を聞いて、ショックを受けた。次第に役者として行き詰まりを感じるようになり、たけしさんの言葉を何度も思い出したという。

   「絶対良くしたい」「上手くなりたい」と一本一本、真面目に打ち込んで。たけしさんの言葉を自分の中で激励に変えたかったんです。

   ずっとたけしさんを意識してきた柳楽さんが現在配信中のNetfilix映画「浅草キッド」で、若き日のビートたけしを演じている。

・バラエティ豊かな対談手法
   特集以外にも対談記事が目を引く。中には相談室やエッセイの形をとりながら、人にフォーカス。1本1本、一気に読め、読者の期待を裏切らない。なぜ、この2人なのかについても、興味深い内容になっている。

 稲垣吾郎(俳優)×作家・吉田修一(作家)
 岡村靖幸(シンガーソングライターダンサー)×田中泯(ダンサー)
 ジェーン・スー(作詞家・コラムニスト)×神崎恵(美容研究家)
 小林直己(EXILE)×佐藤正和(Eテレプロデューサー)
 内田也哉子(エッセイスト)×ヤマザキマリ(漫画家)
 中野信子(脳科学者)×大下容子(テレビ朝日エグゼクティブアナウンサー)

薄毛、目の不調、顎の骨...気になる美容・健康情報が満載

 アラフォー・アラフィフ女性が気になる健康情報も掲載されている。

・働く女性に薄毛が増える理由

   髪のハリ・コシ低下や薄毛に関するお悩みについて、毛髪治療を手掛ける高瀬聡子医師に聞いている。髪の成長を妨げ。薄毛になる要因は、大きく分けると「毛母細胞の機能低下」と「ホルモンバランスの乱れ」。睡眠不足や血流の低下、栄養不足に気をつけなければいけない。
 また、間違ったヘアケアも薄毛の要因に。シャンプー時は頭皮を指の腹で支え、そっと動かすようにマッサージすると血流促進にもなる。髪のエイジングを感じたら、自身のライフスタイルを再点検することが大事だ。「髪活」グッズの紹介も。

・更年期の目の不調 老眼ではないかも?

   「文字が見えにくい」「夕方になると、文字に焦点が合いにくい」...いよいよ老眼?と思って眼科を受診すると、ドライアイが原因というケースが2020年以降、増えている。そう語るのは、眼科専門の平松類医師。その背景に、コロナ禍のリモートワークや、スマホで動画配信やコミック配信を見る時間が増え、まばたきの回数が減ってしまうことがある。それだけでなく、涙の質(状態)が悪くなることが問題だ。そのメカニズムや対処法、目に優しいアイメイクとメイク落としについても解説している。
   2021年に入って日本眼科学会などは、液晶画面から出るブルーライトは曇天や窓越しの自然光より少ないレベルなので、メガネやコンタクトレンズはブルーカット仕様がいいという説を否定した、という衝撃の情報も。

・50歳からは顎の骨が減る! 歯+口内ケアを始めよう

   「野宮真貴61歳&松本孝美56歳&渡辺満里奈51歳の『大人の女史会』にようこそ。」では、歯科医の宝田恭子さんを迎えて、歯と骨の健康について女子会トーク。
 宝田さんによると、閉経を過ぎ骨粗鬆症になると身長も減り、頭蓋骨も縮むそうだ。ショックなのは、骨密度の減少率は腰椎骨より顔面骨のほうが大きく、骨密度が低下し始める年齢も若いこと。顔面は41歳から低下を始めるのだ。目元がくぼむのも骨が縮むから。

「そうすると、その上に乗っている筋肉や皮膚も必ず必然的に垂れていく。それが『顔面地滑り』です」

   それを最小限にするには、骨を増やすこと、正しい姿勢で奥歯で均等に噛んで食べることなど、さまざまなセルフケア法を宝田さんが教えている。

   グラビアでは、スープ作家・有賀薫さんの「お腹から温まろう!冬の発酵スープ」も。発酵食材の塩麹、ヨーグルト、白菜漬け、味噌×酒粕のW使いを使ったスープレシピをおいしそうな写真とともに掲載。

   ほかにも、「ブオーノイタリア」店主・朝田今日子さんが「冬こそ オリーブオイルでとろけるやわらか野菜」で、最新の地中海式食事法と1週間の食事例を紹介している。この健康食で、朝田さんは2年で体重が13キロ減ったそう。

   ほかに、下記のコンテンツも。

 樹木希林×内田也哉子×三國万里子「手をめぐるストーリー」
 (モデル/本木雅弘、内田也哉子、玄兎)
 三國万里子の指ぬき手袋「思い出の地層
 太田光の危ない事件簿
 齋藤薫「顔細胞に訴える顔」研究!
 精子提供vol.2 夫のDVで離婚した私はデンマークの「精子バンク」で娘を授かった
 清水ちなみ 「OL委員会」の人気コラムニストが忽然と姿を消した理由⑧
 マンガ「ファッション!!」 vol.11 はるな檸檬
 グラビア 大自然のサウナへ

   全編が「じっくり醸成されたことば」で構成され、いくつもの対談、インタビュー、エッセイ、コラム、小説、マンガ、相談室、美容・健康情報の詰まった、充実の1冊。年末年始のコーヒーブレークに1つずつ楽しめる。これで1冊550円は絶対お得だ。

   記者が最初に読んだのは谷川俊太郎さんの詩。あなたなら、どこから読む?どこから読んでもおいしい「週刊文春WOMAN」だ。



  • 書名 週刊文春WOMAN 2022 創刊3周年記念号
  • 出版社名文藝春秋
  • 出版年月日2021年12月21日
  • 定価550円(税込)
  • 判型・ページ数B5判・190ページ
  • ISBN9784160070370

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