「文系女子のみなさんが『数字や計算が得意じゃないから』という理由で投資を避けてしまうのはとてももったいない」――。
大竹のり子さんの著書『数字が苦手でもわかりやすい! 文系女子が幸せになる投資BOOK』(日本文芸社)は、投資に興味はあるけどなかなか一歩が踏み出せない文系女子のための「超基本書」。
投資信託、株、iDeCo、NISA......。投資のイロハから実際の資産運用まで、わかりやすく丁寧にレクチャーしている。
ここ数年、投資人口のすそ野が広がっているという。
2018年にスタートした「つみたてNISA」、19年夏に話題となった「老後2000万円問題」、20年からの「コロナ禍」などの影響を受け、投資家比率を押し上げたのは20代、30代の若年層。男性のみならず、女性の比率も大きく上昇しているのだとか。
投資には「リスク」「ギャンブル」など、ネガティブなイメージがついて回るが......。
「投資はみなさんが思っているようなこわいものではありません。むしろこれからは、投資をしないことがリスクになっていきます。(中略)投資を通じて、『お金にも働いてもらう』ことは、自分の幸せを守ることにつながるのです」
そこで、こんなシミュレーションをしている。
仮に銀行の預金金利を0.001%、投資の利回りを5%として、毎月1万円を積み立てた場合、40年後にどうなるか。銀行預金なら約481万円、投資なら約1180万円。なんと、その差は2倍以上。
著者は、文系女子が持つ「豊かな感覚や情緒」は「投資をするための大きな武器」と考えている。「こんなものが世の中にあったら」「私はこういうものにすごく惹かれる」......。その繊細な感性は、投資の成功に不可欠な「先を読む」力に通じるという。
「株価の動き一つひとつ、投資先の動き一つひとつには、必ず『物語』があるのです」
■CONTENTS
Chapter1 まずは、大切な「お金」とちゃんと向き合う
Chapter2 もっと素敵な未来をつくるための投資
Chapter3 忙しい女子こそ、投資信託でお任せ運用
Chapter4 「好き」の気持ちをお金に変える株式投資
Chapter5 株式投資では、情報収集がキーポイント
Chapter6 私の年金は私がつくる! iDeCo・NISA
本書は難解な図や計算式をできるだけなくし、文章メインの構成。やわらかい文体とポップなイラストが相まって、ずいぶんとっつきやすい。
たびたび「投資」を「恋愛」に例えているところもユニーク。「投資」も「恋愛」と同じく人の数だけスタイルがあり、時に一歩踏み出す勇気も必要で、思い通りの結果が得られるとは限らず、それも大切な経験になるという。
ここでは「文系女子のための投資の鉄則」を紹介しよう。投資を行ううえで何よりも大切なのは「すべてにおいて余裕を持つこと」。
1つは「資金の余裕」。まずは半年分の生活費を「何かあった時のための生活防衛費」として手元に残したうえで、投資資金を考える。2つ目は「時間にゆとりを持つこと」。3カ月~10年ほどの時間軸で投資を行う「中長期投資」がおすすめ。3つ目は「心の余裕」。失敗しても落ち込まず、経験として次に活かす、自分の知識に変える。この3つの「余裕」を覚えておきたい。
ちなみに「初心者が陥りがちな落とし穴」は、「初めからリスクの大きい投資に手を出してしまう」こと。初心者が旨味のある側面だけを見て挑戦しても、失敗の確率が高い。「地道な投資をコツコツ」、「無理をして投資資金を捻出しないこと」が大切。
「『文系の私には投資なんて無理』......この本はみなさんが、そんな思いを拭い去ってくださることを目指してつくりました。数字や計算への苦手意識から避けてきた『投資』が、実は意外と身近で、そしてとってもワクワクするものだということに、少しでも気づいていただけたら嬉しいです」
はっきり言って「投資」はよくわからないし、自分には関係ないと思っていた。しかし「文系女子」が目に飛び込んできて、これは自分のために書かれた投資本だ......! と感じる人は多いだろう。肩の力を抜いて、投資を1から学びたい人にぜひ読んでほしい。
■大竹のり子さんプロフィール
株式会社エフピーウーマン代表取締役。ファイナンシャルプランナー。出版社の編集者を経て、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。講演やメディア出演のほか、「お金の教養スクール」の運営を通じ、正しいお金の知識を学ぶことの大切さを発信している。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)、『はじめてでもスイスイわかる! 確定拠出型年金「iDeCo」入門』(ナツメ社)など、著書・監修書は70冊以上に及ぶ。
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