「子どもに勉強のやる気がない」「塾選びに迷う」「行きたい学校と偏差値に差がある」「そもそも中学受験するか迷っている」......。合格する家庭の子はこんな時どうしているのか?
長谷川智也(はせがわ ともなり)さんの著書『予約殺到の東大卒スーパー家庭教師が教える 中学受験自走モードにするために親ができること』(講談社)は、学校や進学塾では教えてくれない「勝つ戦略」を徹底公開した1冊。
「自分から(=自走モード)勉強する子になる!」――。
著者は2500軒を超える家庭を救ってきたプロ家庭教師。本書では、具体的な学校、塾、教材の名前を挙げながら、中学受験合格を引き寄せるコツを伝授している。
著者は東大入学と同時に塾講師や家庭教師のアルバイトを始めた。現在はフリーランスとして、ほぼ毎日どこかの家庭を訪問している。はじめに、20年の指導経験にもとづく「本音」を書いている。
「今の教育界を見渡せば、特に都市部では、経済的に許すのであれば中学受験をオススメしたいというのが、僕の本音です」
「中学受験を経験している子」と「していない子」の間には、基礎的なところで大きな差が生まれるという。著者の考える「中学受験および中高一貫校のメリット」とは......。
・勉強時に、幅広く、論理性を伴う深い知見を学習できる。
・効率の良い教育システムが、より洗練されてきている。
・学習意識の高い友人、家庭が当たり前に周りにいる。
・平均して、非常に学力レベルの高い教師陣がいる。
本書は以下の構成。
■目次
まえがき なぜ今中学受験なのか
序章 中学受験にも「セカンドオピニオン」を
第1章 悩めるお父さん、お母さんへ。中学受験は「戦略」次第です
第2章 うちの子を「自走モード」にする道筋とは
第3章 目指せ「自走モード」作戦会議(Q&A)
第4章 我が子を伸ばす運命校を見つけよう
あとがき 親も「公平無私なる思考」を
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ここでは、第1章から「終わったテスト用紙は『自走モード』への糸口」を紹介しよう。なんと、テスト用紙の「書きっぷり」を注意して見ていくと、その子の「主体性の度合い」がくっきりと現れてくるという。
■例
・字が小さい→やる気がない。先生や親に委縮している。
・字が整列していない→親からのプレッシャーが強い。
・問題を抜かしがち→間違えるのが怖い。親が過度な点数主義。
・字が汚い→いろいろな面で詰めの甘さが残る。
・余白が多い→途中式や考えた形跡がない。時間いっぱい闘う意欲がない。
・全体にぐちゃぐちゃとした書き込み→混乱している。ミスを誘発しやすい。
もはや心理テストである。思った以上に、親の態度が子どもの心理に影響しているようだ。本書では、優秀な子(筑駒へ進学)の問題用紙実例を掲載している。
「テストの問題用紙と解答用紙は、親子関係を映し出す『鏡(かがみ)』でもあるのです」
最後に、本書のキーワード「自走モード」にふれておこう。
「中学受験に成功する子」と「そうでない子」の差は何か。著者が20年以上検証した結果、「本人がほんの少し、『主体的になれたか、どうか』だけ」という見解に至ったという。
「子どもたちは基本、勉強よりも遊ぶことが大好き。その中で少しでも、受験や勉強を『自分ごと』として意識して、行動できるモードに入れるかどうかが、分かれ目なのです」
「自走モード」覚醒の条件は、「計算力」「国語力(読解力)」「体」「習慣」の4つ。具体的に何をしたらいいのか、「小4まで」と「小5から」に分けて紹介している。
とりわけ印象的だったのが、「『国語力』とは思いやり」というもの。本をたくさん読む子ほど、どの科目もよくできるという。
「他人の気持ちを推し量り、心に届く言葉を届ける、それが『国語力』です。『思いやり』がなければ、本当に優秀な子にはなれないのです」
まさに今、中学受験の悩みにドはまりしている親御さん。子ども(幼児から高校生まで)が「自走モード」になる道筋を知りたい親御さん。本書は受験する・しないにかかわらず、一読の価値がある。
■長谷川智也さんプロフィール
ブログ名ジュクコ。1980年兵庫県明石市出身。高卒の両親のもとに育つもハードな中学受験を経験。白陵中学校・高等学校を経て、東京大学卒業後、大手塾に勤務、人気講師となる。2009年独立してフリーランスの「プロ家庭教師」に。既存の固定観念にしばられない、生徒個人を見つめた指導で数々の実績を上げる。独自のプログラム「究極の受験セカンドオピニオン・スーパーコンサル」は年間200件を超える申し込みが殺到する。甲冑メタルバンド「Allegiance Reign」のベーシストとしても本気で活動中。著書に『中学受験 論述でおぼえる最強の社会・理科』『中学受験 論述でおぼえる最強の理科』(ともにエール出版社)などがある。
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