SDGsが高い関心を集め、持続可能な社会を目指す取り組みも活発になってきた。そのような中、まず今がどうなっているのか知る上で、食の観点で参考になる本がある。
ライフスタイル情報誌「FRaU SDGs MOOK FOOD 「おいしい」の未来。」(講談社)だ。
本号は、食に関する視点でSDGsに迫っている。
まず、表紙の写真。鮮やかな被写体に目を向けると、傷がついたナス、形の不揃いなトマトなど、流通規格にのりにくい野菜たちをとらえたものだ。このような野菜たちはどうなってしまうのか、見るだけで語りかけてくるような表紙だ。
そして巻頭では、映画監督の安藤桃子さんや俳優の町田啓太さんなどが登場し、それぞれ食や食の未来について語っている。文字量が多めなので、ファンならずともゲストの考え方や取り組みがわかって読みごたえがあるだろう。
本書の中で評者がもっとも注目したのは、「大人の食育。」(p.56~)だ。
子どもたちは食育の取り組みがはじまってきているが、大人はどうだろうか。この特集では、大人向けのホームルームからはじまり、1時間目~6時間目までカリキュラムが組まれ、最後は課外授業でまとめられている。
ホームルーム 地球で今、起こっていること
1時間目 日本の食文化
2時間目 海と魚
3時間目 食のセーフティネット
4時間目 フードロス&ウェイスト
5時間目 ジビエ
6時間目 次世代フード
課外授業 サスティナブルレストラン
ホームルームの「地球で今、起こっていること」を読むだけでも、改めて今を認識することができる。
その中でも、日本の子どもの7人に1人が、お腹を空かせているという事実。7人に1人は貧困なのだ。経済格差が広がって、貧しい子は学校行事にかかる費用も払えていない。きっと悲しい気持ちになっているはずだ。そして、食事も満足には与えられていない状況がある。特にひとり親家庭の子は約半数(48.1%)が貧困なのだという。これはG7の中で最下位。
まさに、大人こそ読まなければならない特集だろう。
「FRaU SDGs MOOK FOOD 「おいしい」の未来。」(講談社)には、このほかにも日本各地のサスティナブルフードをとりあげたページもあり、北海道のチーズや岡山の無添加アイスクリームなど、見ているだけでも美味しそうなフードも多数紹介されている。
在宅ワークが当たり前になってきた今、おうち時間にページをめくってみてはいかがだろうか。
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