「2020年の米国大統領選挙」のニュース解説でブレイクし、令和の論客としてカリスマ的な支持を得ている浅村正樹さんによる初の書籍がクロスメディア・パブリッシングから発売された。タイトルは、『バカのための思考法』。ギョッとするようなタイトルには、私たちの脳が「与えられること」に慣れ切ってしまい、思考力や感受性が退化していくのではないか、という強い焦燥感が込められている。
例えば、
・テレビや新聞の報道は真実を伝えているのか?
・YouTubeはエビデンスのない、デマばかりなのか?
と聞かれたら、即答できるだろうか。
私たちは「思考停止」をして、考えることをやめ、いつの間にか「世間」の多数派に迎合し、気が付いたら「バカ」となり果てているのではないか――。浅沼さんはこう警鐘を鳴らす。
本書では、そのような「与えられることに慣れきった脳」=「与えられ脳」から脱却して、自分の頭で考える方法を解説していく。
私たちが思考停止の状態に陥ってしまう要因に、現在流布されているキーワードを理解していないことが挙げられる。例えば、「PC」という用語。「パーソナルコンピューター」ではない。ヒントは「ポ」から始まる言葉だ。
正解は、ポリティカル・コレクトネス(政治的正当性)。もともとはマイノリティの差別的な表現や認識を改める左翼運動から発された言葉だが、現代では様々な人たちがPCを利用するようになり、本来の意味で使われないこともある。用語をある程度知っておけば、社会問題の見え方もクリアになるはずだ。
本書では、現実の問題とリンクさせながら思考力と感受性を退化させないように鍛えていく。
【教育】【世界】【隣国】【情報】【感情】のテーマで分類されており、図にあるようなキーワードを中心に読んでいくと、世界が可視化されて「自分のアタマ」で考えるための材料が浮かぶように設計されている。
本書の構成は以下の通り。
第1章 「思考停止」という快楽に溺れるバカな俺たち――【教育】
第2章 ニュースから、この世の構造を知る――【世界】
第3章 アメリカ大統領選に見る、人類の二極化――【隣国】
第4章 超管理型社会主義体制の近未来、ビッグデータを独占するGAFAM――【情報】
第5章 バカを脱出するための思考法――【感情】
それにしたって「バカ」はちょっと言いすぎでは......?と傷つきつつも、溢れる情報をキャッチするのに精いっぱいで、思考停止の状況に陥っていないか、声の大きな人の意見や、「それらしいこと」を言う人に迎合し、自分の頭で考えることを放棄してはいないだろうか。自らを省みて、思考の訓練をしていきたい。
■浅村正樹(あさむら・まさき)さんプロフィール
YouTuber、情報空間コーディネーター、パーソナルコーチ、評論家。
1978年岡山県生まれ。会社員時代は人材育成やチームビルディングで成果を挙げ、その経験と心理学や脳科学、量子物理学をベースとした独自のマインドコーチング「SATORISM」を生み出す。2020年に独立し、SATORISMに基づく情報空間書き換え術や多次元視力開眼秘法を使った企業コンサルティングやパーソナルコーチングを行っている。自身のYouTubeチャンネル『SATORISM TV』では世界情勢の裏側や真相を独特の考察で深掘りする解説が大好評。「観るだけで頭が良くなる動画チャンネル」として視聴者から熱い支持を得ている。インディーズでロックギタリストとしても活動している。
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