「自分は変わらなくていい。環境や仕組みを変えるとラクになる」をモットーとする人気整理収納コンサルタント・本多さおりさんの初フォトエッセイ集『暮らしをそのままの自分に寄せて』(主婦の友社)が10月1日に発売された。
刊行にあたって、本多さんは次のようにメッセージを綴っている。
この本は、自身のこと、暮らしのことを、誰かにおしゃべりするような気持ちで綴りました。これまでの著書にもその要素はあったのですが、この本は『実はね、』とお話しするような文章が多めの初エッセイとなっています。
役立てていただける情報もお届けしたいと思い、実用面も重視しました。もし『それいいね!』『やってみたい!』を見つけていただけたなら。
リアルでお会いできる機会が少ない今日この頃、この本を通して、井戸端会議のように楽しい時間を共有できればうれしいです。
37歳の本多さんは、妻であり、二人の子どもの母であり、整理収納コンサルタントという仕事を持っているが、この3本柱の土台にあるのはなにでもない自分だという。その立場や経験から試行錯誤を繰り返して自分の軸を持った。その過程と、今の本多さんが エッセイと写真でわかる一冊となっている。
そこには、暮らしをラクにするヒントがたくさん詰まっている。
「自分自身を変えなくても、環境や仕組みを変えて、自分の生活に寄せるだけで生活はもっと楽になる」という暮らし術も学べる本書を、ぜひ手に取ってみてほしい。
今でこそ快適な暮らしを送る彼女も、ここにたどり着くまでに紆余曲折あったそう。なかでも特に意識するようになったのは「生活重視、ラク優先」をすることだ。
毎日使うものの位置をきちんと決める。自分の行動を妨げるところにものを置かない。必要以上の情報を目に入れないなど、生活するうえでの動きやすさを意識して収納を工夫するだけで、スッキリとした家へと変化していったという。そのためにも、過去でも未来でもなく「今」を重視してきた。
本書は、1章 暮らしの人です、2章 母で妻でのけもの道、3章 試行錯誤の仕事の話、4章 自分を知って、生きていく、という構成で、写真ページをたくさん挟みながら、エッセイが展開されている。
エッセイでは、暮らしや収納に関するトピック以外にも、家族や仕事、自分自身についても丁寧に語っている。もともと思い込みの激しかったという著者が、失敗談も交えながら、自分にあった暮らしと仕事、さらに自分自身の軸を持つまでの苦労やエピソードが気負いのない親しみやすい文章で綴られている。「ちゃんとやろう」じゃなくていい、の表紙のコピーに納得できる暮らしと生き方のヒント集でもある点が魅力だ。
エッセイのタイトルをいくつか紹介しよう。
収納を仕事にするまでの紆余曲折/仕事と家庭は折り合いをつけるもの?/やめた家事/育児はつらいよ/親ってことを楽しむぞ/私がつらくならない料理/夫とつくる家族の形/家事参加の増えた夫に寄り添う収納変革/気のいい暮らしをしていたい/人のくれた扉は積極的に開けていく/暮らしに合う服は変遷する
エッセイの最後に「一言」欄がある。例えば、「動きやすさを求めると部屋は自然とすっきりする」のトピックには、「目に入る情報が少ない部屋はひょいひょい動きやすい」と一言記している。パラパラとページを繰りながら、タイトルと一言を見て、気になったページを読むとその日のあなたの気分に寄り添ってくれそうだ。そんな楽しみ方もできる。
人間関係、仕事、育児、そして収納も、正解がないからこそ、その一つ一つに決断や選択の迷いが生まれる。「よく見て」「実際に行動してみて」「次の一手へのヒントを得る」を基本とし、最善の解を得るために、方法を探り工夫を続ける本多さんの生き方に勇気をもらえる1冊だ。
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