宇宙科学分野の発展はめざましく、時折ワクワクするようなニュースを目にする。今回紹介する本は、宇宙人と出会ったときのために、知っておきたい教養本だ。
7月15日に発売された『宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう』(講談社ブルーバックス)は、筑波大学計算科学研究センター研究員で宇宙論を専門とする高水裕一さんの著書。将来、宇宙人と交流する時に備え、恥をかかないよう、宇宙でも通用する普遍的な教養を解説していく。
切り口はSFチックでユーモアにあふれているが、「2つ太陽があるとどうなるか」「ダークマターの正体は」「地球の生物はなぜ左右対称か」など、興味深い科学的なテーマが満載だ。
本書では、「惑星際宇宙ステーション」に地球チームの一員として乗り込んだ読者が、そこで遭遇する宇宙人が繰り出すさまざまな突拍子もない質問に答えていく。その中で、宇宙で本当に必要な科学知識とは何か、宇宙的思考法とはどういうものかが、自然とわかってくるように構成されている。
たとえば、「あなたはどこから来たのですか」という質問。「『地球から来ました』などと答えるのは、宇宙における常識からすれば下の下です」と高水さんは言う。
「日本」という一国の中だけの価値観にとらわれていると「世界」が想像できないのと同じように、「地球」の価値観にとらわれていると「宇宙」ではどう答えればよいかが想像できないのです。
読了後には「宇宙偏差値」を算出することができるので、宇宙教養をどれほど身につけたのかをチェックできる。宇宙人と意思疎通するための「三種の神器」、連星太陽をもつ惑星の異様なカレンダーなど、奇抜で面白いアイデアが満載で楽しい。
本書の目次は以下の通り。
プロローグ 宇宙のとあるカフェにて
第1章 あなたはどこから来たのですか?
第2章 あなたは何でできていますか?
第3章 あなたたちの太陽はいくつですか?
第4章 あなたは力をいくつ知っていますか?
第5章 宇宙の破壊者を知っていますか?
第6章 宇宙の創造者を知っていますか?
第7章 宇宙最古の文書を知っていますか?
第8章 あなたは左右対称ですか?
第9章 数のなりたちを知っていますか?
第10章 宇宙人の孤独を知っていますか?
第11章 エネルギーは何を使っていますか?
笑いを交えつつ科学の入門的な知識を解説していく本書。「ちゃんとした宇宙人になるためのガイドブック」として読んでみると、これからの宇宙科学の進歩に対する期待感が高まる。宇宙に通用する教養を身につければ、「グローバル人材」を通り越して、「ユニバーサル?人材」になるのも夢ではないかも。
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