ささいなことで家族を怒鳴りつけたり、店員や道行く人に怒りをぶつけたり、コールセンターのオペレーターに暴言を吐いたり......。「怒れる老人」は社会問題として、たびたびメディアでも取り上げられている。
しかし、これは他人事ではない。将来、自分も同じようにならないとは限らないのだ。実は、年齢を重ねたときに「キレやすい人」には特徴があるという。
日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんの新著『怒れる老人 あなたにもある老害因子』(産業編集センター)では、加齢と怒りの関係性を徹底的に解説している。
高齢者(65歳以上の人のことを指す---世界保健機関)が怒りっぽくなる理由には、「身体的理由」「社会的理由」「個人的理由」という3つの側面があるといわれる。本書では「社会的理由」と「個人的理由」にスポットをあてて、アンガーマネジメントの見地から、その怒りの真相をひもといていく。
本書を読めば、身近な高齢者の怒りに対処できるようになるとともに、自身が高齢になった時にも自分の感情にうまく対処できるようになるという。
自分がキレる高齢者にならないようにするためのセルフチェックリストより、「自己顕示欲度」チェックを一部公開しよう。当てはまる数が多い人は要注意だ。
〈自己顕示欲度チェックリスト〉
□ 自分の意見を言うことにためらいを感じない方だ
□ ニュースを見ていると、この人わかってないんだろうなと思うことがある
□ 知っていることがあるなら教えてあげたいと思う
□ 目立つことは恥ずかしいことではないと思う
□ いつまでも誰かの役に立ちたいと思う
「教えてあげたい」「誰かの役に立ちたい」というのは悪いことではないように思われるが、行き過ぎた正義感は「キレやすさ」のもとになる。
本書のポイントは以下の通り。
●高齢者がキレる3つの理由
身体的理由/社会的理由/個人的理由
●そもそも人はなぜ怒るのか
怒りには事実と思い込みが含まれている/怒りはリクエストである
●キレる高齢者との付き合い方
カスハラする客/パワハラ上司/折り合いの悪い両親や義父母...他
●高齢になったときキレやすい人とは
注意すべき3つの特徴:執着・孤独感・自己顕示欲
●自分がキレる高齢者にならないために
執着・孤独感・自己顕示欲を手放すための実践トレーニング
安藤さんは、年齢を問わず、誰の中にも「老害因子」が潜んでいると指摘する。「昭和型上司」「ご近所トラブル」「カスハラ」「孤独」「承認欲求」などのキーワードは、この問題が他人事でないことを教えてくれる。自身の行いを振り返り、気づいたときが軌道修正のチャンス。今のうちに読んでおきたい1冊だ。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?