「なんで私、いつも魔性の女って呼ばれるんだろう。そんなことないのに......」。高岡早紀さんといえば「魔性の女」「魔性の女優」。そんなイメージが定着したのは、いつ頃からだろうか。
呼ばれる本人の心境は複雑のようだ。若かりし頃は、インタビュー記事を事前に確認できる場合、「魔性」という言葉が使われていたらすべて削除をお願いしていたという。アラフィフと呼ばれる年齢になった現在の高岡さんの本音は?
本書『魔性ですか?』(株式会社KADOKAWA)は、高岡さんの初エッセイ。ユーモアと少しの毒を含みつつ、恋愛観、娘や犬との穏やかな暮らし、仕事のスタンスなどを綴っている。
「ちょっとした毒を入れることで笑って読めるように、という課題が最初に与えられたのですが、私に毒なんてあるかしら。いや、毒しか出なかったらどうしよう!?」
友人・知人男性と食事に行けば、週刊誌に写真が載って「魔性」と報じられる。「魔性の女=ものすごーく悪い女」のイメージだったが、改めて「魔性」を辞書で引いてみると「人を惑わす性質」とあり、「おっと、そうなの?」。
「悪く解釈すれば、『魔性の女』は、とんでもない(?)女です。でも、別の見方をすれば、『人を惑わすくらい魅力的な女』ということらしい!」
そうして40歳を過ぎた頃から気にしなくなり、むしろ「魔性」と呼ばれると「それが私のフック?」と思えるまでになったという。
「神奈川県藤沢市で生まれ育ったバレエ好きの少女」の高岡さん。「女優」という新たな顔を与えられてから、来年で35年。本書は「高岡早紀と二人三脚で歩いてきた『一人の人間・高岡佐紀子』」、この二人の本音エッセイとなっている。
本書は63のテーマで構成されている。「年下の男性」「オトコの条件」「オトコトモダチ」の辺りから「魔性」のにおいがプンプンするが、果たして......。
■目次
「女優女優している」ふうに見えます?/結婚、そして離婚について/子どもたちからの「ありがとう」/「オバサン」になっても「オジサン」にはなるべからず/習い事マニア/体型維持、その秘訣とは!?/オンとオフの切り替えスイッチ/「妻」と「母」のバランスについて考えてみた/ゴシップと私と家族と友達と/我が人生に悔いはなし!?/シングルマザーの恋愛事情/「女優」でも「母」でもない私は何者か/年下の男性/オトコの条件/パートナーに財力は必要か!?/オトコトモダチ/悪いことも、いいことも/自分探しの旅は続く ほか
株式会社KADOKAWAの公式サイトでは、本書の一部を試し読みすることができる。ここでは「頑固者」を紹介しよう。
「佐紀子は頑固ね」。昔から、母にそう言われ続けてきたという高岡さん。あまり自覚はないものの、ポツリポツリと思い当たることがあるとか。
デビューしたての10代半ば、マネージャーとよく喧嘩をしていたという。原因はスケジュール。デビュー前は、学校から習い事まで、全部自分で決めて組み立てていた。ところが、仕事を始めるとそうはいかなくなり......。
「今でもそうですが、私は、自分の生活スタイルが崩れると気持ち悪くて、落ち着きません。(中略)我慢がならず、内緒で勝手にレッスンの予定を入れたこともありましたっけ」
デビューしてからの2、3年間、特に取材ではほとんどしゃべらなかったという。「初めて会った人に、どうして自分のことを話さなきゃいけないの?」と、本気で思っていたのだとか。「頑固で自己主張の強い女の子だった」と、当時を振り返る。
「魔性」の枕詞がつくと、どうしても「魔性」のイメージになってしまう。しかし、ここにはイメージどおりではない高岡さんもいる。本当に「魔性」なのか? 意外とそうでもないのか? 本書を読んで確かめてみてほしい。
「あるときは女優の、あるときは一人の人間の、そして、あるときは、両者を俯瞰で見ているもう一人の私――が、経験した出来事、見たこと、聞いたこと、感じたこと、そして、幸せを感じる日々のささやかなことに思いをめぐらせてみました」
■高岡早紀さんプロフィール
神奈川県藤沢市生まれ。7歳よりクラシック・バレエを開始。モデル活動を経て14歳のとき、「第3回シンデレラ・コンテスト」で4600人の中から優勝し、芸能界入りする。1988年歌手デビュー。90年映画「バタアシ金魚」に主演。その後、数々の作品で女優としての評価を確立する。テレビドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。現在放送中のドラマ「桜の塔」(テレビ朝日系)に出演。6月18日に主演映画「リカ~自称28歳の純愛モンスター~」の公開が控える。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?