『あやうく一生懸命生きるところだった』『死にたいけどトッポッキは食べたい』『私は私のままで生きることにした』など、目を惹くタイトルが並ぶエッセイの棚。これらはすべてここ1、2年で日本で刊行された韓国発のエッセイである。文化の違いを超え、悩みを抱える女性たちの共感を呼び、注目を集めている。
そんななか、韓国の男性ヒップホップグループ、BTSのVさんが紹介したことから大ヒットとなった『家にいるのに家に帰りたい』(辰巳出版)が3月22日に日本でも発売される。
Vさんが「最近の心動かされた本」として紹介した本書は、現代を生きる誰もが抱えている不安や迷い、どうすることもできない孤独感、そして、自分を支えてくれるちょっとした幸せや人を愛する気持ちなど、言語化するのが難しい繊細な感情を持て余している人々に、そっと寄り添ってくれる一冊だ。
タイトルの「家にいるのに家に帰りたい」は、日本でも検索ワードのトップに入るそうだ。家にいてもどこか満たされず、不安な気持ちを抱えて「心から安らげるところに帰りたい」と感じてしまう。コロナ禍で、人と関わる機会が減っているいま、不安やとまどい、さびしさなど、どうにもできない気持ちに苦しめられてひとりで抱えこんでしまう。そんな人々に、本書は「わかるよ。それでいいんだよ」とやさしく語りかける。
ここで、本書の一部を紹介しよう。
「誰もがつらさを抱えている。でも、人と自分は同じじゃない。誰がなんと言おうとも、わたしが「しんどい」と思えばしんどい。」(「自分のつらさを他の人と比べないで」より)
「あなたも心配しないで。わたしたちは大丈夫。逃げたっていい。時が満ちたらもとの場所に戻ればいい。わたしとあなたにエールを。」(「逃げるあなたへ」より)
「雨のなかを裸足で歩き、ずぶ濡れの服も、ちらりと向けられる視線も何も気にならない。はてしなく自由なその瞬間、わたしははじめて、自分らしくなれるのだ。」(「わたしだけのストレス解消法」より)
温かなメッセージに添えられたイラストにも心が安らぐ。
また、日本語版には著者のクォン・ラビンさんから、日本の読者に向けたメッセージが寄せられている。
「みなさんにとって、この本が失くしてしまった記憶を呼びおこし、忘れゆく記憶を取りもどし、未知の記憶を拾い集めるひとときになりますように。永く心に残る、香りあふれるかけらとして。」(「日本の読者のみなさまへ」より)
心が疲れた時や眠れない夜、この本を開けば、「ああ、家に帰ってきた」とほっとした気持ちになれそうだ。
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