最近、よく耳にするようになった「毒親」という言葉。しかし、家庭外で認知されにくく、実態は明らかになっていないのが現状だ。今も虐待に苦しむ人、「親」という呪縛に縛られている人はたくさんいる。さらには、自分が虐待を受けていると気がつかずに環境がいつまで経っても改善されないケースも多い。
そんな中で、小さな頃から自分の生まれた家庭はどこかおかしいと感じ、「毒親」から逃げる決意をした女性がいる。『生きるために毒親から逃げました。』(イースト・プレス)の著者、尾添椿(おぞえ・つばき)さんだ。
彼女はどんな家庭で育ったのか、どうやって逃げ出し、自分の命と心を守ったのか。さらには連れ戻されることがないように行った行政的手続きまで詳細に描かれたコミックエッセイである。
尾添さんへの虐待は、幼少期から始まった。「言うこときかないなら、椿ちゃんを置いてお父さんとお母さんだけで海外へ行っちゃうよ」と脅されたり、返事が気に入らないと怒鳴られる毎日。小学生の頃は、ストレスのあまり、ひどい体調不良でベッドから起き上がることができなくなった。それでも看病されることなく放置されたことも。眠れなくなり、心療内科に行ったところ、処方された薬を捨てられ、酒を飲んで眠るように強要されるなど、心理的な虐待が日常的に行われていた。
尾添さんは命の危機を感じ、ついに家から逃げ出すことを決意。その後、徹底的に親と決別するために、行政的手続きを取る。本書には、その一部始終が具体的に描かれている。
以下にコミックの一部を紹介する。
「もしかしてうちの家庭おかしいかも」と少しでも感じているなら、本書を手に取ってみてほしい。きっと著者の行動力と体験に救われる人がいるはずだ。
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