安田正さんは、シリーズ累計89万部を超えた『超一流の雑談力』(文響社)をはじめ、ベストセラーを連続して世に送り出している。
最新刊『超一流の強運力』(ポプラ社)は、コミュニケーションのプロである安田さんが「強運な人の思考・行動パターン」を解き明かし、「誰でもマスターできる強運メソッド」を初公開した一冊。
コミュニケーションや英語学習の本を数多く出してきた著者が、コロナ禍のいま、なぜ「強運」なのか。
「こんな大転換の時代だからこそ、自分の人生を変えるチャンスも転がっています。(中略)逃げ腰になるのではなく、みなさんにはぜひ『強運力』を身につけて、幸せをギュッとつかみ取ってほしいと思い、本書を執筆しました」
安田さんは1953年生まれ。株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役。早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授。主な著書に『英語は「インド式」で学べ!』(ダイヤモンド社)など。著書の累計は200万部を超える。
成功者であり、「強運」の持ち主に思える安田さんだが、「私は決して恵まれた環境にいたわけではない」と書いている。
仙台の田舎町の生まれで、質実剛健な両親のもと、小さな家で質素に育つ。希望する高校・大学に入ることはできず、やっと滑り込みで就職したのは小さな英語学校だった。
営業として成績を上げていたものの、自律神経のバランスを崩し、「かなり悲惨な二十代」だったと振り返る。「どうしたら、僕は幸せな日々を手に入れられるのだろう」と悩む日々......。
そこで、仕事で出会った上場企業役員約200人に「どうしたら、そんなふうに出世して成功できるのですか」と質問していくことにした。
「すると驚くべきことに、そんな方たちの99%以上が『運です』と答えたのです」
成功者に共通する「運」に興味を持った安田さんは、他人の「運」と自分の「運」の事例を研究。すると、「運」の実体と法則性が判明したという。
「『強運』になるには、自分なりの『強み』『チャレンジングプレイス』『夢』を把握することが不可欠です」
本書の目次は以下のとおり。安田さんの実例をふんだんに交えて「ゲン担ぎでもスピリチュアルでもない、誰でも強運になれる再現性のあるメソッド」を解説している。
第1章 「運」に対する大きな誤解があった!
第2章 「夢」を持つことで、強運への道が拓かれる
第3章 自分の「強み」と「チャレンジングプレイス」を発見する
第4章 「ご機嫌」が強運へのカギを握る
第5章 「善意の第三者」によって強運へと飛躍する
「強運」をつかむ第一歩として、本書は「運」の定義を理解するところから始まる。
安田さんは「こんなにベストセラーをたくさん出して『運』がいいですね」と言われるが、「運がいい」と「運が強い」は違う、と考えている。ベストセラーへの道筋を自ら模索したからこそ「運」をつかんだのだ、と。
・「運がいい」は天から降ってくるもの(=偶然性)
・「運が強い」は自分でコントロールできるもの(=必然性)
もし「自分は運が悪い」と思っても、諦めるのはまだ早い。「誰でも自らの行動によって、運を強くしていくことができる」という。
「強運」になるための第一条件は、明確な「夢」(叶えたいこと・人生の方向性)を決めること。
「夢」に向かうときは、自分の「強み」(独自性・長所)の上に行動を積み上げていくこと。自分が持っていないものに行動をいくら掛けても、「0×行動=0」にしかならない。
次に、「チャレンジングプレイス」(「強み」を活かす場所・活動・仕事)を探すこと。「いろいろな場で試す→結果が出るか」を繰り返すうちに、それがどこなのかがわかってくる。
「『強み』→『チャレンジングプレイス』→『夢』への流れをうまく作ることが強運である、と私は考えます」
安田さんは子どもの頃から、「大きな家に住みたい」という「強烈な願い」があったという。社会人になると、「広い家を会社の近くに建てる」という具体的な「夢」を描くようになり、お金を稼ぐことに邁進した。
これが、安田さんが「強運」になっていく道のりとなった。三十年の間に会社を立ち上げ、会社から徒歩圏内に家を建て、「夢」は現実になった。
しかし、そこで「夢」が終わったわけではない。ベストセラー作家、大学院の客員教授など、自身も「今の状況は信じられない」というほど「夢」は広がり続けている。
「夢は、その時々の自分自身や自分のステージによって、人生とともに変化してきました。(中略)スケールアップしても一貫して同じ方向性の中で歩み続けることが、夢を叶え続けるポイントなのです」
本書には、安田さんが1から積み上げてきた努力の跡がしかと刻まれている。
「夢」を持っても「一歩も踏み出さない人が九割」と鋭い分析をしているが、「強運」になるために、まず「一歩を踏み出す一割」になるところから始めたい。
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