「今、100年後の教科書にも載るような時代を、私たちは共に生きています」――。
新型コロナウイルスの報道を初めて耳にしてから、もうじき1年。長引く異例の事態に、日に日に心がすり減っている気がする......。そんなコロナ禍で疲れきった心を「色の力」で癒やしてみてはどうだろう?
「ミニマムリッチ(上質なものを少しだけ)」を提唱する横田真由子さんの本書『毎日が楽しくなる素敵な色づかい』(クロスメディア・パブリッシング 発行、インプレス 発売)は、「ときめく色に囲まれた、上質な日々の過ごし方」を提案している。
「どんなに混沌とした時代にも、世界は色であふれています。彩りあふれる心で、未来を見つめていきましょう」
横田真由子さんは、ミニマムリッチコンサルタント。オフィスファーレ代表。株式会社ケリングジャパン(旧・GUCCI JAPAN)販売スタッフとして、有名人やVIP客を担当。3年で店長に昇格し、顧客獲得数No.1 となる。
VIP客のもの選びから女性としての優雅な生き方を学び、独自の「大人エレガンス」を実践する契機に。「上質なものを少しだけ持つ人生」=「ミニマムリッチライフ」を提唱し、セミナー、講演、執筆活動を行う。著書累計10万部。
横田さんは30代の頃、ファッションや色に興味を持ち、カラーコーディネーターの資格を取得。本書では、暮らし、ファッション、インテリア、風景、もの選び、過去や未来との向き合い方などをテーマに、毎日が楽しくなる色づかいの具体例をフルカラーで紹介している。
Chapter1 モノトーンの世界からの脱出
Chapter2 心を整える暮らしの色
Chapter3 移り変わる季節の色の楽しみ方
Chapter4 洗練された装いをつくるファッションの色
Chapter5 心が潤う色とご褒美アイテム
Chapter6 憧れのあの人が愛した色
Chapter7 私らしい色で生きる幸せ
たとえば、「リラックスできる海の色のバスルーム」「寝室には回復の緑」「橙の灯りが揺らぐ窓辺」「幸せを運ぶティファニーブルー――文具」「ときめきの詰まったカラフルな缶――お菓子」「誇り高き色エルメス・オレンジ――手帳」......。
まさに「ときめく色に囲まれた、上質な日々の過ごし方」のヒントが満載。すべてを完璧に整えることはできなくても、読んでイメージするだけでパッと華やいだ気分になる。
横田さんは、常に背筋の伸びた、凛とした女性というイメージがあるが、コロナ禍では「毎日、同じような時間を過ごす中で、ふと、マンネリに陥ったような気分になる」こともあったようだ。同じような食事、ファッション、ルーティンの繰り返し。自分を喜ばせることもうっとりさせることもなく、「あーあ、今日も夕方になってしまった」と虚しさでいっぱいになった日も。
このように、五感が働かず心が躍動しないときは、「キタキタ! 要注意」の信号を点滅させ、小さな「いいね」を集めること。幸せな暮らしを送るための秘訣は、自分にとっての「いい見た目」「いい匂い」「いい感触」「いい音」「いい味」を求めることだという。
「見えない明日に恐れの気持ちを抱いてしまうときは、今日、この瞬間に生きていることに感謝して、五感をフル活動させましょう」
あまり外に出ない、人と会わない生活を送っていると、どうしても楽な方へと流れていく。個人的には、この身だしなみの適当さはそろそろまずい......と自覚し始めた頃に本書を読んで、大いに刺激になった。
横田さんのGUCCI時代のエピソードも興味深い。入社当時は緊張のあまり失敗を繰り返し、自信を失っていた。そんなある日、クロコダイルの真っ赤なバッグが入荷し、その色のあまりの美しさに息をのんだという。
このバッグを「見せて」と言うのは「皆、色気のある、自信に満ちた華やかな方ばかり」。「色」の「気」と書いて「色気」。「気持ちが色づいていて、彩り豊かな存在感を放つ人のことを"色気のある人"というのかもしれない」と思ったそうだ。
この1年、お洒落のおの字もない生活を送ってきたという人も多いことだろう。横田さんの自粛中はと言うと、目についた同じような服ばかりを着て、ノーメイク。「モノトーンのような世界で、じっとしていました」。お洒落をしたいと思うこともなく、そもそも「お洒落なんて不謹慎ではないか」と思っていたという。
「けれど、今、生きていることを感謝し、明日を彩り豊かに生きていくためには、色という気をまとうことが必要だと思いました」
毎日が楽しくなる色づかいの一例として、「クローゼットの中の洗練の6色」を紹介しよう。ファストファッションが台頭してきた頃、ストレス解消のためあまり考えずに買っていたが、テーマもテイストも色もばらばら。いつも「何を着たらいいの?」と、さらなるストレスを感じていたという。
「結局、ワンシーズンによく着る服は、決まっています」として、「洗練の6色」を決めることを提案している。
1 自分のベーシックカラーを決める。
王道は「黒・濃紺・グレー・ベージュ・茶」
横田さんの場合は「黒・濃紺・グレー・ベージュ・白」
2 ベーシックカラー5色に、好きな色を一色プラス。
すると、どの色と組み合わせても、洗練された着こなしができる。
好きな色は一色だけ? と思ったが、そこはミニマムリッチコンサルタント。「生き方もファッションコーディネートもシンプルに」という考え方を貫いている。
最後に一つ。「今、占星術の専門家の方々の多くは、『土の時代から風の時代に移行していく』と言います。大きな変化の時期らしいのです」という話が気になった。
「風の中で立つということには、頭は柔らかく、発想は自由でありながら、飛ばされないように、『私は私』という脚力を持つことも大事です」
横田さんにとって、この軸になる脚力はシルバーのイメージだという。シルバーのキーワードは「才能」「感性」「魂」。思うまま、感じるままに行動していけたら、「この風は爽やかに心地良く、未来に向かって吹いてくれます」。
「さて、あなたの軸になる色は、何色でしょうか? これからの時代を、どんな色で生き抜いていきましょうか?」
デザインも内容もカラフルな本書を読めば、モノトーンの世界から脱出したくなるだろう。
BOOKウォッチでは、横田さんの著書『本当に必要なことはすべて「ひとりの時間」が教えてくれる』を紹介済み。自粛期間中に同書を読んだ読者から、「おうちで過ごす"ひとりの時間"が、私の軸をつくってくれました」との声が横田さんのもとに届いているという。
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