「断捨離」「シンプルライフ」がタイトルになっている本は多い。しかし、ライフスタイルコンサルタント・横田真由子さんが提唱する「ミニマムリッチ」(上質なものを少しだけ)という考え方は、ただシンプルに徹するものではなく、そこに厳選した上質さをプラスするもの。
日々余裕がなく時間に追われ、気づけばここまで来てしまった。自分はこのままでいいのだろうか......と、過去を後悔し、将来を不安に思っている――。
そんな人に向けて、本書『本当に必要なことはすべて「ひとりの時間」が教えてくれる』(クロスメディア・パブリッシング)は「上質な『ひとりの時間』をつくり、自分の心と丁寧に向き合ってみませんか?」と提案している。
横田さんは、株式会社ケリングジャパン(旧GUCCI JAPAN)の販売スタッフとして有名人やVIP客の担当となり、3年で店長に昇格し、顧客獲得数NO.1となった経歴を持つ。VIP客の物選びに女性としての優雅な生き方を学んだことが、独自の「大人エレガンス」を実践する契機になったという。
2004年「オフィスファーレ」設立。ものをただ使い捨てるのではなく、選んだものを大切に手入れしながら愛し抜く姿勢に真の豊かさを感じ、「ミニマムリッチライフ」(上質なものを少しだけ持つ人生)を提唱し、セミナー、講演、執筆活動をしている。
横田さんが販売員時代に接客した「余裕のあるライフスタイルを実践する上品な方々。自分らしくよい品を身につけていて、親しみやすく、あたたかく、チャーミングなお人柄」に共通していたのが「自由で上質な『ひとりの時間』」という。
本書は「ひとりの時間」を中心に「限りある時間の質を上げ、毎日をもっと素敵にするためのヒント」を提案している。キーワードは「ミニマムリッチ」。あれもこれも求めず、本当に大切なところにだけこだわること。これは時間の使い方に限らず、ファッション、インテリア、お金、仕事、人間関係、美容、生活、生き方のすべてに当てはまる考え方という。
本書は6つのchapterで構成され、横田さんがVIP客から見聞きしたこと、そこから考えを深めていったことなどが綴られている。
chapter1 ゆとりを取り戻すための丁寧な時間の重ね方
chapter2 時間とお金のハッピーなバランス感覚
chapter3 上質を見極める買い物のルール
chapter4 仕事も人間関係も余白を持たせて質を上げる
chapter5 日々の生活から大人の品格は育まれる
chapter6 私らしい選択としあわせの美学
個人的には、なかなか接点を持てそうにない人々の身だしなみ、立ち居振る舞い、価値観に触れて勉強になった。特に印象的だった、心に留めておきたい言葉を2つ紹介したい。
「私の実体験としては、大きな節目の前には、大きなネガティブが、どーんとやってくることが特徴です。...これは、上昇気流に乗っていく時の合図ですから、最初は居心地が悪くても、悲観的にならずに進んでいきましょう」
(「人生の時間は、今、何時ですか?」)
「『もう歳だから』という理由で、挑戦すること、新しく始めることを躊躇してしまう時は、『10年マイナスルール』を発動します。...『私は、今、10年前の自分に戻してもらっている』と自分を勘違いさせるのです」
(「マイルールがあれば、めげているだけの時間を手放せる」)
物も心も、日々生活していると自然と散らかってくる。予期せぬ出来事に腹を立てたり落ち込んだり、やりたいことがあっても毎日のルーティンをこなすうちに忘れてしまったりする。本当に必要なことに気づくために、物も心もミニマムにして感性を研ぎ澄ませたい。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?