尼神インター誠子さんへのインタビュー。第1回「女と女芸人のはざまで」に引き続き、第2回となる今回は、新刊『B あなたのおかげで今の私があります』(KADOKAWA)の執筆のきっかけや「B」に見えない秘密の話などを聞く。
―― そもそも、執筆のきっかけは?
誠子 私をポジティブだと思った出版社様から、「読んだ方がポジティブになれる本」を作りたい。誠子さんならそれが書けるとご提案いただきました。
私も、本を書くのが夢だったので、ぜひにと書かせていただきました。
―― どのぐらいの時間をかけて執筆したのですか?
誠子 5か月かけて書きました。書き始めたのはコロナの前でしたが、その後、外出自粛期間になったので、その時は集中して取り組むことができました。
―― 書き進める中で工夫したことはありますか?
誠子 女性に読んでほしいというイメージはあったのですが、男性も含めて、誰が読んでもポジティブになれるように、「私」という一人称にするのではなくて「誠子」という書き方にしました。
小説風にすることで、読者の方が自分に置き換えて読めるように考えました。
―― アインシュタインのゆずるさんに「受け身になるな。「B」こそ動け!」というアドバイスを受けた話が出てきますが、誠子さんから女性読者のみなさまに共有したい思いはありますか。
誠子 ブス(「B」)って、「容姿のことじゃないな」って思っていて、その人の内面から来る表情や、立ち振る舞いから来るものがあると思うのです。
「B」とかコンプレックスって、自分との向き合い方でいくらでも変えられると思ったのです。
自分に自信がないと、表情が曇ったりして「B」に見えてるだけであって、自分に自信が持てたり、相手の思いを大切にしていれば、表情が変わって絶対「B」に見えなくなってくると思うのです。
―― 本書にはNSCでご一緒だった茜さんのエピソードも出てきますが。お顔以外の魅力も多い女性なのでしょうか。
誠子 茜さんは、ほんとうにいつも明るくて、ニコニコしていて、面倒見もよく、料理もうまくて、人の気持ちも考えられる人です。だから、ずっと表情もキラキラしていて、「B」とかきれいというのではなくて、輝いていました。
容姿がどうとか関係なく、とにかく輝いていて、実際にモテていました。
―― 「B」に見えない秘密ですね。本書で書かれていますが、「美人」と「いい女」はイコールではない。まさに、そういうことですね。
なお、逆に「B」でないと出ない魅力もあると思うのですが。
誠子 自分のことを「B」だと認知しているのはいいことだと思うのです。ただ、それをネガティブに受け取らないことが大事で、私は「B」でも、私は私が「好き」だったら最強だと思います。
―― 自分を知って、前向きになることでにじみ出る魅力ですね。
誠子 私のコンプレックスは「B」でした。ただ、男女問わず、年齢問わず、だれしもコンプレックスは持っているのだと思います。
私はこの本を、私のコンプレックス「B」で書きましたが、みなさんは、それぞれ、ご自分のコンプレックスに当てはめて読んでいただけたらいいなと思います。
そして、ポジティブな気持ちになっていただけたら嬉しいです。
―― 誠子さんは、本書の中で「B」と対談されています。その中で、「キュートになりたい」とおっしゃっています。それはどういうことですか?
誠子 笑顔が多くて、機嫌がいい女はいい女と思っています。
悲しい時に人にやさしくできる人になりたい。自分がダメな時こそ、人にやさしくなれる人になりたいというのが目標です。
―― 誠子さんのいうキュートさ。素敵ですね。
最後に、この記事の読者に一言お願いします。
誠子 今の私が楽しく生きているのは、人との出会いや言葉などの些細なコトがきっかけでポジティブになれているからです。
もし、読者の方も何かしらのコンプレックスを感じているのでしたら、この本もポジティブになれる些細なきっかけとして読んでいただけると信じているので、1節だけでも読んでいただけたらと思います。
そのために、どこから読んでもいいように書きました。
誠子 それから、もうひとつ。
私は自分で勝手にポジティブになったと思っていたのですが、実は、周りの人にポジティブにしてもらっていたことに気が付きました。それって、お笑いにもいえることで、今日の出番でも、私たちがお客様を笑かしてるだけじゃなく、お客様の笑顔に私たちが勇気づけられているのです。だから、ビックリするほどお笑いの力ってすごいと思います。
ポジティブという面では、ぜひ、ここの劇場(注:ルミネ the よしもと)に足を運んで、体感してみてください。待ってます!
尼神インター 誠子 (あまこういんたー せいこ)
1988年12月04日生まれ。神戸市出身。大阪NSC30期。尼神インターとして活動し、「第32回ABCお笑い新人グランプリ」新人賞(2011)、「第46回上方漫才大賞」新人賞候補(2011年)などの受賞歴を持つ。
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