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「極楽は生きてるうちに行かなきゃ意味がない」 介護世代に突きつけられる現実

 親の介護について、どのくらいまで具体的に考えたことがあるだろうか。

 頭のどこかに引っかかりつつも考えないようにしていた問題に、いやおうでも向き合わざるをえなくさせる、そんな漫画に出会ってしまった。

画像は、『新生ヘルプマン ケアママ!』(朝日新聞出版)撮影:BOOKウォッチ編集部
画像は、『新生ヘルプマン ケアママ!』(朝日新聞出版)撮影:BOOKウォッチ編集部

 介護漫画の金字塔『ヘルプマン!!』(朝日新聞出版)シリーズの最新作『新生ヘルプマン ケアママ!』(朝日新聞出版)第1巻が、2020年9月7日に発売された。

 『ヘルプマン!!』シリーズは、介護問題にさまざまな角度から切り込んだ、人気の介護漫画。第40回日本漫画家協会賞大賞を受賞した本作は、2014年末、連載誌を「月刊イブニング」(講談社)から「週刊朝日」(朝日新聞出版)へ移籍し、2019年11月には『新生ヘルプマン ケアママ!』としてリニューアル。初めて女性が主人公として登場した。

 本シリーズでは、夫と死別したシングルマザーを主人公に、スリリングな展開が続く。9月7日に発売された「Vol. 1」では、訪問ヘルパーとして働いていた主人公・蔵野たからが仕事を失い、プロレス団体が営むヘルパー事業所「ピンフォール」に職を得ようとする。しかし、かつて訪問介護を担当していた独居高齢者「白田金造」が救急車で病院へ搬送されたことから、事態は急転し......というストーリー。

 入院した金造が「点滴を外さないように」と安全ベルトで拘束される姿や、老人ホームへ移され生気を失った様子は、見るだけで背筋が寒くなる。

 元・プロレスラーで頬にタトゥーのあるヘルパー・早乙女千陽は「極楽は生きてるうちに行かなきゃ意味がない」と言い放ち、金造の「自分の家で過ごしたい」という希望を叶えようとするのだが、なかなか一筋縄ではいかない。金造にとっての「極楽」とは何なのか。早く次巻が読みたくなる展開だ。

 余生をどのように過ごすことが、本人にとっての「極楽」――幸せなのか。

 両親の介護について、ぼんやりとではあるが考えていた記者の胸にも重くのしかかってくるテーマである。介護を巡る深刻な問題を、漫画という形式でわかりやすく提示してくれるという点でも、一読の価値がある良作だ。


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