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『チフスのメアリー』各紙で続々紹介、4刷

 コロナ禍で復刊された感染症の関連本『病魔という悪の物語――チフスのメアリー』(ちくまプリマー新書)が各メディアで紹介され、売り上げを伸ばしている。

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画像は『病魔という悪の物語――チフスのメアリー』(ちくまプリマー新書)

 BOOKウォッチでは2020年6月14日、「『無症状』の有名患者『チフスのメアリー』知ってる?」という見出しで紹介したが、同16日には朝日新聞の「天声人語」、7月11日には朝日新聞と毎日新聞の読書面でも取り上げられた。朝日新聞では作家の川端裕人さんが、毎日新聞では東大特任講師の内田麻理香さん(科学技術社会論)が論じている。

 同書は2006年の刊行。いわゆる「健康保菌者」の問題を扱っている。本人は全く無症状だが、結果的に次から次へと感染を広げ、人生の大半を隔離施設で過ごすことを強いられた女性の物語だ。彼女にまつわるその後の社会の反応についても詳しく紹介されている。

 著者の金森修さんは1954年生まれ。専門は科学思想史・科学史。東京大学大学院などで教えていたが、2016年に死去している。

本書は今年5月10日に復刊。朝日新聞によると、すでに4刷3万2000部になっているという。

 BOOKウォッチでは感染症関連で多数の旧刊、復刊、再版本を多数紹介している。100年前のスペイン風邪についての政府報告書『流行性感冒――「スペイン風邪」大流行の記録 』(東洋文庫)、日本人と様々な病気との関係を克明に振り返った名著『病が語る日本史』 (講談社学術文庫)、コロナ禍を予言したかのような内容の映画で知られる小松左京の『復活の日』(角川文庫)、明治維新と感染症の関係を詳述した『感染症の近代史』(山川出版社)、戦前のウイルス兵器研究にスポットを当てた『陸軍登戸研究所〈秘密戦〉の世界――風船爆弾・生物兵器・偽札を探る』(明治大学出版会)などだ。

 

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