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「東海オンエア」虫眼鏡が3冊目の著書を出版「ボツネタ供養」も

 YouTubeのチャンネル登録者数は500万人超、中学・高校生から20代を中心とした若い世代に絶大な人気を誇る6人組の動画クリエイター集団「東海オンエア」。

 愛知県岡崎市を拠点に活動する彼らの中で核となるメンバーの1人が虫眼鏡さんだ。2020年6月4日に自身3冊目となる著書『真・東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本 虫眼鏡の概要欄ウェルカム令和編』を講談社から出版した。

写真は、『真・東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本 虫眼鏡の概要欄ウェルカム令和編』(講談社)を手にする虫眼鏡さん。向かって左は通常版の表紙で、右は名言ポストカードがセットになった限定版の表紙
写真は、『真・東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本 虫眼鏡の概要欄ウェルカム令和編』(講談社)を手にする虫眼鏡さん。向かって左は通常版の表紙で、右は名言ポストカードがセットになった限定版の表紙

 本書は、主に彼らのチャンネル「東海オンエア」および「東海オンエアの控え室」の投稿動画に添えられた「概要欄」の文章をまとめたシリーズの3作目。動画はちょっとやってみたいけど、なかなかできないことを代わりに実践してくれるような面白さが人気で、例えば2019年6月19日に公開された「【知識0】超本格ピザを食べたい...窯から手作りだ!」の概要欄には「いつもダラダラと長い概要欄を書いていますが、今日は簡潔に。『ピザの耳を残す奴にろくな奴はいない』以上、虫眼鏡でした。」とバッサリ。

 動画では語られなかった裏話や見どころを、虫眼鏡さんが自身の経験もまじえた独特の調子でつぶやく概要欄を楽しみにしているファンも多い。

 第一弾は2018年7月、第二弾は19年6月に発行されていて、シリーズ累計で発行部数は11万部を超えた。BOOKウォッチ編集部は、虫眼鏡さんに今回の作品について話を聞いた。

 「概要欄」シリーズは、YouTubeで公開済みの文章をベースに、書籍化にあたり少しだけ加筆修正しているそうだ。本書の後半には、書き下ろしのエッセイも掲載されている。

写真は、インタビューに答える虫眼鏡さん
写真は、インタビューに答える虫眼鏡さん

「第一弾、第二弾もそうでしたが、今回も普段YouTubeを見ている人に読書の入り口になってもらえたらと思っています。追ってくださっている方には、僕が自分で思っていることを文字で表現することに慣れてきたところや、日本語の遊び方で少しは成長したかな?という部分もぜひ見ていただきたいし、初めての方は全員3冊買ってほしい(笑)」

 虫眼鏡さんの「概要欄」は、面白おかしい動画のテーマを別の視点から考えさせられる内容もあり、読者がちょっと"深読み"して楽しめる魅力がある。本書からYouTubeの動画を選ぶ逆引き風にしても良いだろう。

 「東海オンエア」は週に6本動画を公開している。メンバー全員が定期的にネタを持ち寄り、長時間の企画会議を経て採用されたものだけを動画化する。動画づくりへの本気度の高さがうかがえる。

「メンバー6人が全く別の方向を向いているので、ネタ会議に時間がかかるんです。時には5人が反対しても1人の熱量が高かったら、採用されることも。いろんな食感が楽しめるというのが「東海オンエア」の面白さでもあるので、「なんでこれ?」と思う動画があったとしたら、たまに素材の味を残したモノだったりするのかも」

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 2013年の活動開始から1500本以上もの動画を作成してきた。その中で、最もキツい作業はやっぱり「企画」だそう。後半のエッセイでは、「死んでしまった種たちを供養してあげたい」と、虫眼鏡さんが考えたもののボツになった企画案をずらりと紹介している。ほか、人間が楽しいと思えることは何かを考察したコーナーも見どころだ。人気クリエイターの頭の中をのぞけるようなワクワク感がある。

 最後に、東海オンエアに終着点はあるのか聞いてみた。

「自分としては終着点はまだ見えていません。いまは6人で活動していますけど、おそらくその先は一人ひとりが自分の得意な場所で戦っていくことになるのでは? と思っています。今のうちにいろんなことにチャレンジして、自分の一番の武器を見つけたいですね」

 ちなみに、シリーズ共通して「6.4倍」と入っているが、「虫=6(む)4(し)」の意味も含まれているとか。虫眼鏡さんは、現在27歳。東海ラジオでメンバーと共に番組「東海オンエアラジオ」(毎週日曜22時から)も持っている。「めっちゃ楽しい人生をおくってやる」という負けん気は人一倍。今後の活躍に注目したい。


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