今でこそ人気武将の筆頭に挙げられる織田信長だが、その評価は時代によって移り変わってきた。残虐非道な悪役から天皇を立てた勤王家、そして世の中を変えたヒーローとして。一方、昨今の歴史学会では、信長の革新性を否定する向きも多いという。そうした歴史学の趨勢(すうせい)の中で抜け落ちているのが「では、なぜ信長によって天下が統一され、戦国時代が終わったのか?」という問いに答えることだと、筆者は主張する。
本書では、その問いに対する回答が示されるのだが、キーワードとなるのが「歴史的人間」という言葉だ。信長の個性が歴史を変えたのではなく、時代のほうが「信長的存在」を求めたからこそ、彼が表舞台に現れたのだ。宗教、土地、軍事、国家、社会の視点から日本史の構造を読み解き、単なる事実の羅列にとどまらない歴史の面白さを味わえる。年明けから始まった大河ドラマのお供としてもお薦めだ。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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