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「鉄道技術の日本史」 小島 英俊著

  本書を読んで以降、電車を見るとつい台車をのぞくようになった。正確にいうと、台車に使われる軸バネと枕バネに目がいく。同様に、信号にも注意がいく。これもせいかくには、閉塞(へいそく)方式に基づく色灯式信号というべきか。いわゆる「非鉄」で、本書を読むまでD51のDの意味も、浮かないリニアモーターカーがあることも知らなかったのに。
 (1)科学技術の結晶で(2)筐体(きょうたい)や隔壁などで隠れていず(3)身近なところで活躍している。鉄道はこの3条件を満たしている。モーターやブレーキについては(2)がちょっと怪しいが、飛行機でもパソコンでも、なにか別のハイテクなものと比べれば、台車や線路、架線は「むき出し」といっていい。
 そして、もしそこに科学の精髄を見いだすことができれば、楽しいに違いない。鉄道技術の変遷は、日本近現代史と軌を一にしている(鉄道だけに)。150年の壮大なドラマ、本書でとくとご覧あれ。

書名:鉄道技術の日本史
著者:小島 英俊
発行:中公新書
定価:840円+税

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