読むべき本、見逃していない?

貴女の骨格の型は、ダイアナ妃? モンロー? ヘップバーン?

女性を美しく見せる「錯覚」の魔法

 テート小畠利子さんは、ロンドン在住のイメージコンサルタント。「身体の"欠点"を美点に変える。ゴマカし、ダマす、魔法のテクニック!」――。そんなコピーが目を引く、小畠さんの著書『女性を美しく見せる「錯覚」の魔法』(文春新書)が面白い。

 「細くすっきりしたウェストに見せるには」「ヒップが大きいと思っている人の陥りやすい間違い」「下半身を長く見せるには」「太い二の腕を目立たせない方法」「二重あごの解決法」「足が短い・太い・足首がない、は問題じゃない」......。

 なるべく隠そうとしてきた部位を、すべて言い当てられてしまった思いがした。本書は、これらについて「錯覚」を生み出すテクニックを一挙公開。しかし、ただ「ゴマカし」て終わりではない。「過去」の自分ではなく「いま」の自分をもっと好きになるためのメッセージを発信している。

日本のシニア女性は「脱皮」を

 テート小畠利子さんは、東京都生まれ。父の転勤で幼少期の10年間をロサンゼルスで過ごす。慶應義塾大学文学部を卒業後、シティバンクに入行。1996年スイス系銀行UBSの為替カスタマーディーラーとしてロンドンに赴任。富士銀行、みずほコーポレート銀行ロンドン支店でも銀行員をしていた。長年なりたかったイメージコンサルタントの資格を取得し、2003年ロンドンで起業。現在、今年(2020年)再婚した夫とロンドン在住。

 イメージコンサルタントとは、「その人らしさを生かしながら、どのようにしたらステキでオシャレになれるかをアドバイスする仕事」。人の外見、特に服装をどう生かすかをアドバイスする仕事ではあるものの、「その人を正しく理解し、その人の人柄を正しく表現することがとても重要」としている。

 これまでの17年間でコンサルティングをしたクライアントは、のべ1万人。10~80代の男女、国籍は60以上に及ぶ。「『優美に年を重ねたい』という願望は、万国共通である」と確認してきたという。

 小畠さんは日本に一時帰国するたびに、「日本のシニア女性は世界的にみても本当に若々しくステキ」と感心する一方、「本来あるはずの若々しい美点が発揮されずにいる女性が多い」と、非常に残念に思っていた。そこで、シニア女性に向けて本を書くことにしたという。

 「英国式イメージコンサルティングの手法で、日本のシニア女性たちに脱皮してもらって、魅力と自信にあふれ、ますます幸せになってもらうことが私の使命だと思っています」

「錯覚」の魔法を網羅

 本書の目次は以下のとおり。

第1章 女性の骨格は全部で3種類
第2章 プロポーション美人を目指して!
第3章 大事なのは貴女の「スケール」と顔の輪郭
第4章 骨格に合うアイテムを選ぶ方法
第5章 本当に大切なのは自分の「WOW!!」

 骨格にはじまり、頭、顔の輪郭、首、肩、腕、胸、ウェスト、腰(ヒップ)、姿勢、上半身と下半身、足、下着、靴、メガネフレームなど、一つずつくわしく取り上げている。イラストを多数掲載し、文章だけではわかりづらいところも問題ない。

 全身くまなくチェックでき、なにが正解かを事細かに教えてくれる。「女性を美しく見せる『錯覚』の魔法」を網羅した、まさに「ファッション・バイブル」。

 小畠さんの人柄なのだろう、ハキハキとテンポのよい文体で、ユーモアも効いている。また、小畠さんならではのワールドワイドな経験談を盛り込んだり、ファッション論にとどまらず女性の生き方にまで踏み込んだりと、興味が途切れることなく読み終えた。

貴女の骨格の型は?

 ここでは、上手にスタイリング(骨格に合った服・プロポーションに合ったコーディネート)をするために重要な3つのSTEPを簡単に紹介しよう。

 まず、【STEP1:女性の骨格】では自分の体の基盤となる「骨格」を正しく理解する。次に、【STEP2:女性のプロポーション】では自分の全身の中で、体の一部分がほかの部分に対してバランスよく均整がとれているかどうかを確認する。そして、【STEP3:自分の「WOW!!」を探す】では自分の「WOW!!」があるかどうかを確認する。

 小畠さんは骨格を3種類に分類している。

■ストレート(直線)型
 ダイアナ妃に代表されるストレート型。直線的で全体的にスラッと見えるため、誰もが憧れるボディライン。

■カーブ(曲線)型
 マリリン・モンローに代表されるカーブ型。曲線美を描くため、最もフェミニンなものとして憧れられるボディライン。

■セミ・ストレート(半直線)型
 オードリー・ヘップバーンに代表されるセミ・ストレート型。直線とカーブを兼ね備え、全体的にスラッと見える上、ウェストはキュッと締まっている。見る人をほれぼれさせるボディライン。

 これら3種類の骨格それぞれについて、「特徴」「スタイリングのコツ」「似合うカット」「気をつけたいポイント」を紹介している。自分がどの型か気になる方は、本書にある骨格分析の方法を参照していただきたい。

 「どの体型も美しいのです。貴女の骨格の型は、ダイアナ妃? モンロー? それともヘップバーン?」

 骨格を知ることで、自分に似合うシルエットを正しく選ぶことができ、無駄遣い防止になるわけだが、自分の骨格を知っておくべき理由はもう一つある。それは、女性が誤った妄想に走ってしまわないようにするため。「女性は人種にかかわらず、嫌なところに目を向ける習性を持っている」という。

 「自分の嫌いな部分に目を向けるのはやめましょう。自分の骨格を知った先には、かならず幸せが待っています」

心の底にある「WOW!!」

 3つのSTEPのうち最も重要なのは、【STEP1】と【STEP2】のルールを身につけたあとの【STEP3】と強調している。

 「いちばん貴女に伝えたいメッセージ、それは、ルールを知った上で、貴女の心の底にある『WOW!!』に忠実であってほしい」

 「WOW(ワーオ)!!」とは「心の底から湧いてくる自然な感情」のこと。マネキンならなんでも着るが、人間である私たちは自身の感情を無視するわけにはいかず、服を選ぶときも「理屈抜きで自然と『WOW!!』と感じるその感覚を取り入れることが大切」としている。

 このほか、自分の「WOW!!」を探る方法、顔の輪郭を測定する方法、「ワードローブ・パーソナリティ」(服の好み)を知る方法など、盛りだくさん。ぜひお試しいただきたい。

 「元ジャーナリストの専業主婦の話」では、なに一つ不足のない家庭にありながら、人生に物足りなさを感じていた40代女性のケースを紹介している。彼女は過去の自分に執着していたが、「これではいけない」と気づくことができたという。彼女の中でくすぶっていた、妻・母になったことで「『自分』という存在が薄れてしまった」感覚に、共感する方も多いのでは?

 本書が出版される目前、小畠さんの住む英国はロックダウンになったというが、最後にこんな言葉を書いている。

 「結局は自分を上げるも下げるも自分次第。ロックダウン期間中でなくても、自分が満足できる『自分の基準』をどのレベルに定めるか、そのレベルを常に保つことができるかどうかも自分次第です」

 本書は、よくあるファッションの解説書ではない。予想をはるかに超える読み応えがあった。「シニア女性」でなくとも、なんだか輝けていないと落ち込んでいる方、ぜひ読んでみて! とおすすめしたい。



 


  • 書名 女性を美しく見せる「錯覚」の魔法
  • 監修・編集・著者名テート小畠利子 著
  • 出版社名文藝春秋
  • 出版年月日2020年6月20日
  • 定価本体1050円+税
  • 判型・ページ数新書判・240ページ
  • ISBN9784166612680

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