自分の着ている服を人に褒められた時、「でも、これユニクロだよ」と返答したことのある人は多いのではないか。せっかく褒められても謙遜するのは、ユニクロは低価格でシンプルなイメージが根強いからだろう。一方、ユニクロ商品はメディアで取り上げられることも多く、流行を押さえたおしゃれなイメージも浸透している。
ファッションエディターの伊藤真知さんによる本書『「ユニクロは3枚重ねるとおしゃれ」の法則』(講談社の実用BOOK)は、ユニクロ名品を使った78のコーディネートを掲載し、伊藤さんが実践するユニクロスタイルのコツを公開している。本書を読めば、ユニクロのおしゃれなイメージがいっそう強まり、胸を張って着こなせるだろう。
著者の伊藤真知さんは、1979年生まれ。津田塾大学卒業後、出版社に勤務。その後フリーとなり、「VERY」「with」「BAILA」「Marisol」などの女性誌で活躍。ファッションページの編集やインタビューのほか、ブランドのカタログ製作なども手がける。ユニクロをテーマにした企画を多く担当し、自身もユニクロを偏愛している。シンプルだけどどこかお茶目な伊藤さんのカジュアルコーデは、様々な媒体で注目されている。
本書は、伊藤さん自身の成功談と失敗談をまじえ、おしゃれのプロの目線からユニクロの魅力を掘り下げている。ワードローブのユニクロ率が高く、毎週金曜に出るチラシのチェックを欠かさない評者は、どこを読んでも大いに参考になった。
1 大人が着るべき"どんでもなく上質なユニクロ"を選び抜く方法
・「とりあえずユニクロ」ではなく、「これがいいからユニクロ」
2 私のワードローブになくてはならない偏愛ユニクロ名品10
・人とのかぶりが気になるユニクロこそ、"どこのものかわからない"超ベーシックを選ぶ
3 まじっ? 安っ! とよく言われる、私のズルい高見えルール
・大人のユニクロコーデには「ひと手間」が必要です
4 大人にちょうどいい"ユニクロ5割"の簡単コーデ
・いくら大好きでも、私が「全身ユニクロ」ではあまり着ない理由
すべてのコーディネートがカラー写真で掲載されている。伊藤さんは、雑誌モデルと見まがうほど美しく、プロポーションが良い。同じユニクロ商品を着ても、まったく別物に見える。伊藤さんの容姿に対する細やかな気づかい、緊張感が伝わってきて、身の引き締まる思いがした。
ここでは、ユニクロスタイルのコツを2つ紹介したい。
■身長155cmだけど、ユニクロはメンズ売り場から見ます
ウィメンズのLを選ぶと、袖や丈の長さはSやMと大差なくても、身幅がぐっと大きくなってしまう。でもメンズのSなら、袖や丈はそもそも長く身幅は細め。女性が着るオーバーサイズは、ゆとりがあっても"太っては見せたくない"からこそ、メンズの小さめがベスト。
■「ユニクロは3枚重ねるとおしゃれ」の法則
たとえばカーキのコートとパープルの二ット、グレーのデニム。組み合わせとしてはアリですが、どれも色が暗くてそれだけでは野暮ったい印象。でもたった数センチ、白Tがのぞくだけで、抜け感が出てさわやか。2枚から3枚になるだけで、格段にこなれ感が変わってくるはず。
1つ断っておくと、本書のコーディネートは全身がユニクロのアイテムというわけではない。ニットだけ、シャツだけなど、あくまでどこかにユニクロを使ったコーディネート。伊藤さんの写真を見てユニクロに行き、全身を完全にコピーすることはできない。残念な気もするが、伊藤さんがユニクロ以外にどんなブランドの商品を愛用しているのかがわかる。
「ユニクロの服、つまりはシンプルな服というのは楽しみ方も多く、奥深いということなんだと思います」
毎朝つい適当に服を着てしまうが、伊藤さんをお手本に、頭の先から爪先までファッションを見直そうと思った。本書は、ファッションに対する意識の高い人、ファッションがマンネリ化している人の双方に、ユニクロの着こなし方、ファッションの楽しみ方を教えてくれる。
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