読むべき本、見逃していない?

子が悩んでいる......親はどう関わり、聴き、問いかける?

自分で解決できるようになる 友だち関係

 新年度を迎え、入学式、始業式シーズンの到来だ。新しい環境への期待と不安を抱く子どもの傍らで、親は学用品を買い揃え、子どもに早寝早起きを身につけさせ、交通安全を意識させ、不審者への注意を促すなど、やることが多い。いざ学校が始まれば一安心かと言うと、親が頭を悩ませるのはむしろそこからが本番と言えるだろう。

親の気持ちが楽になるシリーズ第2弾

 本書『自分で解決できるようになる 友だち関係』(旺文社)は、『自分から片づけるようになる整理整頓』に続く、「親が知っておきたい大切なこと」シリーズ第2弾。子ども向けに書かれた「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズ全25巻(2019年4月時点)の親向け。

 子どもが、学校の友だち関係で悩んでいる。しかし、ちゃんと話してくれない、子どもの気持ちがわからない、悩みにうまく答えられない......。親は子どもの気持ちにどう寄り添い、話を聴き、問いかけたらいいのか?

 本書は「1 本当の悩みはなに?」「2 子どもが悩むときの親の心のもちよう」「3 ケース別 気になる子どもの友だち関係」の3部構成でオールカラー。ドタバタ感のあるにぎやかなマンガとイラスト付きの解説が気持ちを軽くしてくれると同時に、親は悩んでいる子どもとどう関わったらいいのか、1つの指標を示している。

 監修の柴﨑嘉寿隆さんは、1995年にCBSソニー退社後、人材教育に携わった経験を活かして独自のプログラムを開発。一般および企業向けに心理トレーニングを提供する株式会社クエスト総合研究所を設立。99年に健全な子どもの心の育成のための機関NPO法人子ども未来研究所を設立。全国に30校を超える親子のためのアートセラピー教室、野外活動による子どもの自立支援、被災児童支援などの活動にあたる。

親が、心配と悩みの先へ進むには

 主な登場人物は、長友家の4人とナビゲーター役のマトリョーシカ。母・ケイミは、下校中の長女・ユウナ(小学4年生)が友だちから仲間はずれにされているところを目撃する。翌朝、ケイミがユウナの友だち関係を探ろうとすると、ユウナは怒って出て行ってしまう。ケイミは長男・タツヤを幼稚園に送り出した後、ユウナはもう反抗期なのかと考え込む。そこへマトリョーシカ(長友家に飾られている置物)が突然喋り出し、自身の子育て経験からケイミにアドバイスをし始める。

 幼児期の子どもにとって、親は「絶対的な存在」。8~12歳は心の発達が激動し、思春期(12~18歳)の子どもは「親の価値観を疑い始める」。親にとってはさみしいことだが、子が「やがて大人になるための大切なプロセス」という。

「子どもがイライラ、クヨクヨしていたら、幼児の頃から握っていた『手』をもっと強く握らなければ、と思っていませんか? 親離れが近づくその『手』を、少しほどくことから始めましょう」

 評者も、子どもの友だち関係を心配し、すがるようにして本書を手に取った悩める親の一人。「心配だけど、手を離す時期!」「その悩み、だれの悩み?」「心配されすぎは子どももシンドイ」「自分の中にある『べき』を知ろう」「親にとっては問題でも、子どもにとっては成長のプロセス!」など、本書は発想転換のヒントとなる言葉がいくつも見つかる。

 柴﨑さんは「はじめに」で「子どもたちの、言葉にならない心に目を向け、思いがけない解決法を生み出せる関わり方」のカギを2つ挙げている。

・子どもの気持ちを尊重し、話をそのまま受け止めること
・子どもの頑張りや成長を見つけて、その喜びを伝えること

 親は子どもを心配するあまり、子ども自身が感じている以上に、子どもの置かれている状況や悩みを問題視してしまうことは往々にしてある。親の大切な役割は、子どもと対話し、見守ること。子どもを心配する気持ちは根底にありながら、心に留めたい指針となった。子どものことで悩み、気持ちを落ち着かせる場所がどこにも見当たらないとき、ぜひ本書を手に取ってほしい。

  • 書名 自分で解決できるようになる 友だち関係
  • サブタイトル親が知っておきたい大切なこと2
  • 監修・編集・著者名柴﨑 嘉寿隆 監修/ひらた ともみ マンガ・イラスト
  • 出版社名株式会社旺文社
  • 出版年月日2018年9月19日
  • 定価本体1,000円+税
  • 判型・ページ数A5判・144ページ
  • ISBN9784010111994

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