育児日記をつけている、またはつけたことのある人はどれぐらいいるだろう。子どもが誕生すると、数ヵ月~数年は日記をつける余裕など皆無なほど、育児に追われる。1人目がまだ小さいうちに2人目誕生となれば、なおさら日記まで手が回らない。それでも日々の中でかすかな成長が見られたり、子どもの何気ない言葉や仕草がとてつもなく可愛かったり、この感動を記録しておきたい...と思うのが親心だろう。
本書『お母さんは心配性!? ヒヨくんあっくん育児日記』(祥伝社)は、イラストレーターのやまもとりえさんが次男を妊娠してからの約1年3か月間を絵日記形式で綴ったもの。サブタイトルの「ヒヨくん」こと3才の長男は、マイペースで繊細。「あっくん」こと0才の次男は、めったに泣かず、親方気質のジャイアントベイビー。兄弟で正反対の性格をしている。
本書は「第1章 お母さんはしっぽり里帰り中!」「第2章 お母さんは2人目育児奮闘中!」「第3章 お母さんは登園拒否と格闘中!」から成り、1ページに1日1コマ×4日分の絵日記を収録。リラックス感が漂う柔らかいタッチのイラストに、手書きによる解説が添えられている。子どもたちのユニークな言動や行動と、それらに対するやまもとさんの冷静なツッコミ。どの日を読んでも、かなりの確率で吹き出すほど笑える。
本書は子育て情報を提供するものではなく、育児に奮闘し、時に喜びを噛みしめる、一母親の体験記。今まさに育児で悩んでいる人にとっては励みになり、出産を控えている人にとっては育児の予習になり、ドタバタな育児を卒業した人にとっては懐かしさがこみあげる1冊になるだろう。
やまもとさんは冒頭で「笑ったり怒ったり こんなドタバタな毎日の中にある 宝物のような瞬間を切りとって 私の愛と反省をギュッとつめこんだ そんな日記」と書いている。ヒヨちゃんとあっくんが大きくなった時、こんなに面白くて可愛い日記を見たらどれほど喜ぶことか。育児日記は、子どもへの最高のプレゼントになり、親にとってもかけがえのない記録になる。今年は1日5分でも日記をつけてみようか、と思った。
やまもとさんは、鹿児島県出身。長男、次男、4つ年下の旦那さん、猫のトンちゃんと大阪でのんびり暮らしている。著書に『Aさんの場合。』『Aさんの恋路。』(祥伝社)、『今日のヒヨくん~新米ママと天パな息子のゆるかわ育児絵日記』(KADOKAWA)、『本当の頑張らない育児』『30歳女子、ネコを飼いはじめました。』(ホーム社)がある。ほぼ毎日更新しているSNSも人気。
本欄では子育て関連で『ウラクさんちのふたごちゃん』(セブン&アイ出版)、『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)なども紹介している。
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