女性にとって出産は大変なこと。しかも双子で帝王切開となると、なお大変。育児がスタートすると、ウンチやおっぱい、夜泣きがダブルで襲ってくる。
てんやわんやの毎日を忘れないようにと、イラスト中心の「絵日記」を書いて、インスタグラムに投稿したら大人気。そのまま『ウラクさんちのふたごちゃん』という単行本になってしまった。
著者の「ウラクさん」は東京に住む、26歳のフツーの主婦だ。育児は大変なものとは聞いていたが、実際に産むまでは、「かわいいわが子と毎日一緒にいられて、何がそんなに大変なんだろう」ぐらいにしか思っていなかった。
妊娠、出産、育児を経験してみると、百聞は一体験にしかず。「辛くて、幸せで、やっぱり大変です」。日々の思いをゆるーく、イラスト混じりで記したのが本書だ。
冒頭の出産シーン。医師がウラクさんに告げる。「双子の片方の子が育っていないみたいなので、少し早いけど、明日入院して明後日帝王切開で産みましょう」。
軽い口調だが、心配になる。予定日より1か月も早い。
そして手術当日。「まな板の鯉」と言う言葉しか浮かばない。脊髄麻酔したが、お腹を切られているのがわかる。吐き気がすごくて、もう何も考えられない。
2015年9月7日12時30分、ムスメ誕生。2108グラム。同31分、ムスコ誕生、1902グラム。ちらっと赤ちゃんを見て、ちょっとだけ触れることができた。出血が多かったのですぐに輸血。当たり前だが、おなかはぺったんこになっていた。
というようなリアルな体験が、ほっこりするイラストをメーンに、吹き出しのセリフ付きで続く。
「新生児期」「首すわり~お座り期」「寝返り期」「ハイハイ期」「たっち~あんよ期」と子どもの成長を追いながら、ウラクさんのイラスト日記は進んでいく。インスタのフォロワーは約8万人。「あったよね、そういうこと」「今、うちの子がこの時期だわ」。ママなら誰もが共感できる内容だ。特に双子を育てたママ、育て中のママには、身につまされる話がたっぷり詰まっている。妊娠・出産・育児という当たり前の体験が、実は壮大なドラマだということを改めて教えてくれる一冊でもある。
「私の画力といえば、落書きもいいところ」とウラクさんは謙遜するが、変に手馴れていない素人っぽい絵が、逆にフツーの日常の描写に合っていてリアリティを与えている。
刊行されたばかりだが、アマゾンの「育児日記・ベビーアルバム」部門で上位に食い込んでいる。早くも、続編を期待する声が出ているようだ。
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