赤ちゃんの夜泣きなどの睡眠トラブルに悩んでいる家庭は少なくないだろう。科学的根拠にもとづいて改善する方法を教えてくれるのが本書『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)だ。著者の愛波文さんは、IMPIという、子どもの健康的な睡眠習慣の確立を目的としたアメリカの機関の公認資格を日本人で初めて取得した睡眠コンサルタント。まず、「睡眠の土台」の確立が基本だという。それは以下の3点だ。
1 睡眠環境 2 幸福度 3 ねんねルーティン
睡眠環境とは、光、音、部屋の温度と湿度、服装、安全性の5項目。睡眠ホルモンのメラトニンをつくるため朝の日光浴の重要性を訴えている。また、天井の常夜灯は明るすぎるため、足下だけをうっすら照らす「おやすみライト」をすすめている。音は胎内の母親の血流の音にそっくりな「ぐっすりノイズ」の活用がいいという。
子どもの幸福度は親の幸福度にリンクしているので、ママが自分を大切にすることが大事だという。ベビーシッターや公共のファミリーサポートを活用することもすすめている。また短時間でも「混じり気なしの純粋な1対1の時間」を作り、子供と触れ合うように訴える。
「ねんねルーティン」は、生活リズムのことで、夜、寝る前の流れをつくることだという。1歳半くらいになったら、流れをイラストに描き、子ども自身にわかるようにすることもすすめている。
本書の特徴は、月齢別の「ぐっすりスケジュール」を載せていることだ。月齢ごとに昼寝の回数や睡眠パターン、活動時間を基準に一日の理想的なスケジュールを紹介している。これを見ると、赤ちゃんの成長によって生活のリズムが変わることがわかる。
最後に子どもが自分ひとりで寝つく「セルフねんね」のための「ねんトレ」の方法を紹介している。
監修はスタンフォード大学医学部精神科教授で同大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治さん。睡眠の科学的な根拠について本書のコラムも執筆している。
本書を読むと、赤ちゃんや子どもの睡眠の大切さが理解できる。またそれをサポートする親の重要性も。母親任せにせず、父親の協力も欠かせない。この本にはいわゆる精神論的な話はひとつもない。とにかく科学的根拠にもとづき具体的に書かれており、文章もわかりやすい。悩める母親におすすめの一冊だ。
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