一代で急成長を果たした通信販売会社、ジャパネットたかたの創業者、高田明さんの回顧録。テレビでの商品紹介でおなじみになった高田さんのコミュニケーション力は同社成長の原動力になったものだが、よく通る少々かん高い声による、説得力を秘めた語りからは分からなかった、高田さんの経営哲学やそのキャリアが語られる。
高田さんは、2011年から2期連続の減収減益を受けて13年、自らの進退をかけて「過去最高益更新」の目標を掲げて"再建"に取り組み、みごとに目標を達成した。そして15年1月に社長の座を長男に譲って退任し、その1年後には、通販番組の司会出演も「卒業」し、故郷・長崎で地域のための活動を行っている。本書は初めての著書。
大学卒業後に機械製作会社に就職。欧州駐在などを経験したのちの1974年、父親が経営していた「カメラのたかた」に入社する。同社で観光写真撮影・販売に携わりながら事業を拡大し、86年に独立して「株式会社たかた」を設立。90年代にラジオショッピング、テレビショッピングの事業に参入し、その後の土台を築いた。
「自分が売った商品でお客さまに感動してもらい人生を変えてしまうぐらいのつもりでやってきた」と著者。「やらなかった失敗はあっても、一生懸命やっての失敗はない」と言い切る。何かに挑戦中の人にとっては、著者の言葉だからこそ励みになりそうだ。
著者はまた「大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、そんな夢を抱いたり、目標を持ったりしたことは、一度もない」とも。「毎日毎日、その日しなければならないこと、その日できることを、一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けてきた」と語る。評者の八重洲ブックセンター八重洲本店の販売課リーダー、真田泉さんによると「著者の真面目でひたむきな人柄に共感が広がり売れ行きも好調」という。
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