グルメ本、レストランの紹介本が書店にあふれているが、この本はちょっと手が込んでいる。都内の総勢100人の一流料理人から1人約10店ずつの推薦店を教えてもらい、それを人気順に紹介しているのだ。
いわばプロが選んだプロの店リスト。高級フレンチから中華、和食、下町の居酒屋までジャンルも多彩だ。懐具合に応じて店探しに利用できるもうれしい。
コストパフォーマンスも重要な評価基
「本当においしいお店はシェフに聞こう! 」というキャッチが付いている。推薦するシェフは、落合務(ラ・ベットラ・ダ・オチアイ)、高良康之(銀座レカン)など名の知れた人ばかり。グルメサイト「ヒトサラ」の編集部員が直接面談して聞いた。いま注目の若手から老舗のベテランまで、年齢層を35歳以下、35～50歳、50歳以上の三世代に散らして偏りがないようにしている。
その結果、掲載されているのは合計560軒。それぞれの店について、推薦したシェフらのおすすめコメントも付いている。匿名評価者が多い他のグルメ本と違って、シェフ実名による推薦本であり、コストパフォーマンスやお店全体のチーム力も重要な評価基準になっている。もちろん全員が一致して推した店はなく、大半の店は1～2票というところ。それだけに穴場探しの楽しみもある。
高級店だけでなく、洋食・とんかつ・ラーメン・カレーなど庶民的な店も並んでいる。これ一冊で、仕事の接待、大事な人とのデート、友人との気軽な飲み会など、様々なシーンに役立ちそうだ。
