澁を渋、澤を沢、龍を竜と書いてはいけない――そんなこだわりと美学、偏愛を名前の表記でも感じさせた仏文学者・澁澤龍彦の今年は没後30年。ということで、さまざまな企画が催され、ブックフェアもあいついでいる。
東京・世田谷美術館で開かれた連続講座は20代から年配層までの来場者で満席だったそうだ。7月に神田駿河台の山の上ホテルで開かれた没後30年の会も大盛況。出席者の半分は、生前の澁澤を知らない人だったという。
「サンデー毎日」の2017年8月13日号で最新刊『極楽鳥とカタツムリ』が紹介されている。これは、河出書房新社の編集部が澁澤のエッセイから「動物の博物館」というテーマで選んだ究極のオリジナル・アンソロジー。獏や犀から、鳥、魚、貝、昆虫まで、動物をめぐる奇妙な物語を集めている。『高丘親王航海記』からの2篇など珠玉の28篇を収録、カバーの装画は安野モヨコさんが描き下ろしている。
同社によると、澁澤の没後、澁澤龍彦全集と澁澤龍彦翻訳全集をはじめ、数多くの澁澤文庫を刊行。文庫はすでに68点、さらに、マルキド・サドの翻訳文庫8点と、『さかしま』などの翻訳文庫も入れると、80点を超えるそうだ。
長髪にサングラスがトレードマーク(普通のメガネの時もあるが)。知的で白皙の美形だった澁澤ゆえか、最近では若い女性ファンも増えているという。「没後30年」というが、作品は脈々と生き続けている。
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