自分の親は、「認知症や介護が必要なレベルではないから、まだ大丈夫」と感じていても、高齢になると生活の中でさまざまな支障が出てくる。元CAのカリスマブロガー、カータンさんの作品には、まさにこの「健康以下、介護未満」の両親との日々を描いている。
コミックエッセイ『健康以下、介護未満 親のトリセツ』(KADOKAWA)では、50代になったカータンさんが、両親の老いと向き合う様子が描かれている。
実家の父親の目が不自由になったことをきっかけに、母親の物忘れが激しくなってしまう。それに、父の世話でストレスが溜まっている様子だ。
物で溢れる部屋の断捨離をしようと姉と実家を訪れるも、思い出のフルーツ絞り器を捨てたことが母の怒りの原因となってしまう。
娘から見たら何気ないただの「物」の中にも親にとっては楽しかった日々の思い出がたくさん詰まっているのかもしれない
そのように考え直す、カータンさん。良かれと思っての行動がうまくいかず悩む様子に共感できる。1つひとつのエピソードから、自分の実家を思い起こす人も多いだろう。
体に不自由が出てきたけれど、ガッツリ介護が必要というレベルではない両親。だからこそ、付き合い方が難しい部分もある。ドタバタしながら奮闘するカータンさんから目が離せない。
本書では、カータンさんのコミックエッセイに加えて、日本にたった55人しかいない(20年3月時点)、認定介護福祉士・松川春代さんとの対談も掲載されている。プロの具体的なアドバイスは私たちも参考にしたい。
本書の目次は以下の通り。
はじめに
登場人物紹介
プロローグ
【本編】
第1章 実家の断捨離(7話)
第2章 父の介護(5話)
第3章 母の物忘れ(5話)
第4章 介護認定&現場のプロたち(8話)
第5章 世話する側にも人生と生活がある(4話)
第6章 独身&独居の叔母の問題(9話)
第7章 高齢な親との日常あるある(11話)
認定介護福祉士・松川春代&カータン スペシャル対談
エピローグ
いつかは向き合わなくてはならない親の老い。思わず笑みがこぼれる「あるある」エピソードは、決して他人ごとではない。両親の言動に、「まったくもう、頑固なんだから...!」とイライラした時に、読みたい一冊。
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