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東芝の没落招いた「裏事情」を明かす

書評掲載元:週刊東洋経済 7月8日号 書評

東芝 大裏面史

   「東芝」関連本はいくつか出ているが、本書は月刊「FACTA」が掲載した記事をもとに同編集部がまとめたもの。いくつかの見出しを拾い読みするだけで、腐臭が漂ってくる。〈特許庁汚職に浮かぶ「東芝」と「二階」〉〈西田会長vs.佐々木社長が冷戦〉〈夢しぼむ東芝WH「日の丸原子炉」〉〈不正会計の刺し合いで泥沼〉〈再建に出しゃばる老害・西室〉

   激しい社内抗争、経済産業省の介入などは、すでに報じられてはいるが、ここまですさまじいものとは思わなかった。評者の中沢孝夫氏(福山大学教授)は「東芝とウェスチングハウスとの関係を『色呆け爺が若い妾を抱えたものの、いいように浮気されて文句も言え』ず、『むしられる一方』という記述があるが、経営ということが、かくもデタラメであることに驚愕した」と記している。

   東芝の行方はまだ定まってはいない。原発がらみだけで、まだいくつかの時限爆弾があることを知り、戦慄した。

  • 書名 東芝 大裏面史
  • 監修・編集・著者名FACTA 編集部 著
  • 出版社名文藝春秋
  • 出版年月日2017年5月29日
  • 定価本体1500円+税
  • 判型・ページ数四六判・264ページ
  • ISBN9784163906584

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