著者は都内の雑貨店店主。その店は「なるべく幅広い場所から少し変わったものを集めています」というセレクトショップで、本書は、その経営の体感や想像力により、社会のなかでの雑貨の位置を探ったデビュー作。
「世界がじわじわと雑貨化している気がする。これは豊かになって物の種類が増えたから、ってだけじゃない。それまでは雑貨とみなされてなかった物が、つぎつぎと雑貨に鞍がえしているせいなのだ」。その原因は「数秒まえの過去とちょっとでもちがう物を生みだし消費してもらわなくてはならない、という資本の掟」に求める。
そして消費者は「ちがい」により「どこかに前進しているような夢をみている」。
評者の詩人、渡邊十絲子さんは、本書が書店の社会学の棚にあったから手にとってみたという。「雑貨世界の繁栄をこんなふうに見ることができる雑貨屋さんがここにいる。そして彼は名文家である。収穫の多い本だった」
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