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「きつい」「休めない」「給料安い」新聞社で苦闘する若者青春記

書評掲載元:毎日新聞(2017年6月11日朝刊)書評
  • 書名 北海タイムス物語
  • 監修・編集・著者名増田俊成 著
  • 出版社名新潮社
  • 出版年月日2017年4月21日
  • 定価本体1,800円+税
  • 判型・ページ数四六判・429ページ
  • ISBN9784103300731

 怪作『七帝柔道記』は、柔道の練習に生活のすべてを捧げた大学生を描いた小説だった。あの主人公はどうなったかと思っていたら、北大を中退し、北海道の新聞社に就職していた。重要な脇役として登場する。この新聞社、仕事はきつい、休めない、給料が安いという典型的な3K職場だった。本作の主人公が配属されたのは取材現場ではなく、新聞の見出し、レイアウトを考える「整理部」だった。

 新聞記者が主人公の小説で、おそらく「整理部」が舞台になったのは初めてだろう。それくらい地味で、外の人の眼にふれない職場だ。会社を辞めようと思った主人公は、伝説の先輩のもとで、一から新聞作りを学ぶ。このあたりは前作を思わせるきつい日々の描写が続く。

 なぜ、人は働くのか、そんなことを考えさせる作品だ。書評によると、「あまりの低賃金に、著者も2年でタイムスを去った」とある。移った先は中日新聞。北海タイムスはその後、廃刊となり、多くの人が同業他社に移った。

 札幌の街の描写が清冽だ。厳しい寒さのなかで育まれる青春物語としても楽しめる。

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