著者の本郷さんは、毎日放送のプロデューサー。関西地区では有名な「水野真紀の魔法のレストランR」をはじめとして、料理情報番組を多く手がけてきました。そんな本郷さんだからこそ書けた「外食の教科書」。示唆に富む指摘、これから実践したくなる楽しいテクニックがふんだんに盛り込まれています。いくつか紹介しましょう。
食事会はネーミングで盛り上がり方が全然違います。「ワインを飲む会」とか、「和食を楽しむ会」とか、フツー過ぎます。すぐに行きたいとは思わない。なんとなく面白そう、楽しそうと思わせる会の名前を考えてみませんか。たとえば、本郷さん主宰の食事会ではこんなものがあります。7月7日夜7時から7人、京都の「ビストロセプト(セプトはフランス語で7)」に集い、7品7777円の洋食コースを食べる会。しかも座るテーブルは7番で、7時7分7秒に乾杯する。徹底した7尽くし。そして付けられた会の名前は、「ウルトラセブンの会」です。それだけではなく、大阪で予約が取りにくい割烹「もめん」で年に1回だけ貸し切りで行う会「行ったん? 木綿の会」。お好み焼き、焼きそば、たこ焼きなど粉もんを食べまくる会「粉食(ふんしょく)決算クラブ」(「粉飾」ではありません)もあります。この会はあえて期末に開いたといいます。こうした遊び心は、楽しさを倍増します。
同じ干支の人が集う食事会を企画すると、自分の12年後をリアルに想像できます。たとえば、酉年生まれであれば、「チキン会」。先輩たちの現状を知ることで、自分の将来を考えることができます。奥さん孝行をしたい人には、こんな粋な提案があります。その年の当たり店に奥さんを招待する。ふだん帰りが遅くて、週末はゴルフという方は、ぜひ実践を。
ほかにモテたければ、幹事をやれとか、行きつけの店の作り方、銀座の鮨店に一人で行って度胸をつける、「おひとり様」を積極的に楽しむなど、有益ですぐ使える情報が満載です。この本のサブタイトルは、「自分をバージョンアップする」。読んで実践すれば、確実にバージョンアップします。外食を武器に自分の世界を広げてみてはいかがでしょうか。
書名:自分をバージョンアップする 外食の教科書著者:本郷義浩発売日:2016/2/27定価:本体1500円(税別)