日本ではとかく根回しはイメージが悪く、必要悪のようにとらえられているのが一般的ですが、グローバル企業からみれば、決してそんなことはありません。欧米では水面下で行われるNEMAWASHIに、抵抗感や嫌悪感を覚える人はまずいません。NEMAWASHIを駆使するロビイストの存在などは、まさしく欧米でNEMAWASHIが認められている証左です。
では日本でなぜNEMAWASHIが根付かないのか。それは、会社、組織を守ろうという保守的な考えに則ったやり方だからです。では、逆にそうではない世界標準のNEMAWASHIとは何でしょうか。
まず集団の利益をLogic(理)で説くことが必要です。日本でも当たり前のことではありますが、日本以上に論理性を発揮しなければなりません。さらに個々のBenefit(利)を用いることで相手に納得してもらいます。主語が「I」ではなく、「We」であることも大切です。Cause(大義))は無私でなければなりません。
そしてNEMAWASHIの目的である、“相手に勝つ”決め手は、情報量になります。そのためにはまず己をよく知らなければなりません。そのうえで相手を知る。情報を出す人のところに情報は集まってきます。常にYou Attitude(相手の立場に立った姿勢)を忘れずに、受け取る側にとって有益な情報を発信し続ける。そうすることで、自然に情報は集まってきます。受け取る側に有益な情報は何もビジネスチャンスに関わるものばかりではありません。「私はあなたをリスペクトしています」も立派な有益情報です。
最終的には、豊かな人間観と深い洞察力をもった人だけが最高のNEMAWASHIを実践できます。著者は外資系企業のトップを長らく務め、ビジネスの現場でそれを実感しました。多くの事例が紹介されている本書で、あなたも世界標準のNWMAWASHI術を身につけてください。もちろん日本でも通用するはずです。
※本書では、「NEMAWASHI=グローバルスタンダード」、「根回し=日本だけのガラパゴス化したやり方」として使い分けています。
書名:伝説の外資トップが公開する 世界標準のNEMAWASHIの技術
著者:新 将命
発売日:2014/10/31
定価:本体1500円(税別)