さまざまな場面で役に立つインプロバイゼーション(即興;以降インプロ)。著者は、ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校に留学し、演劇のメッカ、ロンドンで行われている世界最前線の俳優訓練法や演出法を研究しました。インプロはそのひとつで、俳優の訓練には欠かせないものです。身につければ、まるで俳優が演技するようにスピーチができ、聴衆を引き付けるのは間違いないでしょう。
では、どんな訓練を行えば、インプロは身につくでしょうか。たとえば、演劇の訓練法にシアターゲームがありますが、それを援用して、ビジネスゲームとしたものがあります。「床にタッチ」は、3~5人程度のチームをつくり、講師が指定した数をチーム全体でつくるというゲームです。数とは床との接地点の数です。3人の人が立っていれば、足が6本床に接地しているので数は6。手や指や頭を使って、チーム全員で指定された数をいかに早くつくるかを競います。一人頭の回転の速い人がいても、チームの足並みがそろわなければ、早く数をつくることはできません。まさにインプロによるチームワークが問われます。
日常会話でもインプロの訓練は可能です。会議の席で、自分だけ別空間に入って、その場の空気を観察してみましょう。話に没頭していると見えなかったものが見えてきます。あるいは雑談で、相手の言葉に対して肯定的に返したり、否定的に返したりしてみましょう。結果、自分の意見を伝えることは重要だけれども、相手を肯定することはお互いじつに役立つことに気づくでしょう。「聞く」と「話す」のバランスに気をつけてみることも重要です。バランスを適切に保つには、観察力とその場の空気を読む力が必要になります。
インプロの訓練を積んだら、いよいよスピーチの実践です。
著者のお手本が動画としてアップされていますので、ご参照ください。
《別役慎司実演 テーマと準備編》
http://bit.ly/improspeech1《別役慎司実演 即興スピーチ編》
http://bit.ly/improspeech2《別役慎司実演 振り返り編》
http://bit.ly/improspeech3 書名:誰でも人前で台本なしに10分間話せるようになる本
著者:別役慎司
発売日:2013/12/19
定価:1,575円(税込)