夏の宵、都会に広がる少し遠いような星空を観ていると
なぜか夢見る夢の数々が浮かんでくる。
『宇宙飛行士になりたったな.....。
地球一の天体観測地アタカマで星を観たい!』
オフィル星からやって来たという宇宙人アミ、ここ地球に暮らす少年ペドゥリート、そして、地球と同程度の進化度合いのキア星からやってきた少女ビンカ。
まさにSFの時空間で繰り広げられる物語の主人公はこの3人の子供達ですが、彼らと登場するモノ達を通してやりとりされる会話は極めて深淵です。
『愛の度数』。
物語の中で数あるメッセージの鍵になる言葉のひとつです。
ーー(抜粋)
愛は力であり、振動であり、エネルギーであって、
それらの量は”感覚計”のようなもので計ることができる。ーー
それは「ほんとうの人間の大きさ」を量る計量数であり、700度を越えると.....あることが起こる、と言います。
愛の度数....自らのそれはいくらばかりなのか探りたくもなりますが、この物語を読み進め、自分なりに腑に落ちた分だけその度数が解るような気がします。
そして、量るまでもなく、アミ達が語ってくれている『愛』は私達の中にすでにずっと有り、気づけなくてもそここにずっと在るもの。
そんな目に見えない自然なことも理解できるのです。
ーー(抜粋)....そう、これはまったくのおとぎ話です。
注意(おとなのみにむけた)!
読み続けないように!きっとおもしろくないでしょう。
ここに書いてあるのは、すばらしいことだから。(抜粋)ーー
まずはイントロから”おとな”達に向けたメッセージがこれでもかと詰まっています。
そろそろお盆休み、おとなの短い夏休み時間の過ごし方を考える頃です。
『アミ 小さな宇宙人』3部作。
ドッグイアと付箋がいくつも着いた手元にある3冊を取り出して、夢を思い出しついでに、久々の「再読×回数知らず」をしてみましょうか。
児童書という、おとなになった児童達のためのベストセラー....とともに。
【局アナnet】
三浦まゆみ(気象予報士、アナウンサー)
書名: アミ 小さな宇宙人著者: エンリケ・バリオス</br>
(訳:石原彰二) 発売日: 2005年8月 定価 : 580円(税込み)