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自分の存在を感じる安心感絵本「うみべのいえの犬 ホーマー」

 犬のホーマーが家のポーチにいると「にわで おいかけっこしない?」「はらっぱを みまわりにいかない?」「すなはまで あそばない?」などと、皆が声をかけてくれます。

でも、ホーマーは「ううん、ぼくは ここに いるのがいいの。」と一日中 ポーチにいて外を眺めています。

皆が帰ってくると「はしりまわって へとへとだよ!」「はらっぱは かぜが いっぱい、おはなも いっぱいだったよ。」「すなはまは あたたくて きもちよかったよ。」など、ホーマーに教えてくれます。

「ホーマー、なにか いるものは ないかい?」という声にホーマーが答えたことは・・・・・・。
家族とともにおだやかで平和な一日を描いた温かい絵本です。

絵本セラピストとして「大人読み」をすると・・・
この犬は、きっと動くのが面倒な老犬だと思う人が多いと思います。

ということは、お年寄りや動けない人=怪我をした人、病気の人、心の病気の人に対しても
このように声かけすると、家族として仲間として存在している、という
安心感を与えることができるのでしょうね。 

では、この犬が老犬でないとしたら?
こちらが期待するように動けない人、誘いに乗らない人だと
こんな風に対応できるでしょうか???

きっと「もう無駄だ」と思い、次から声をかけなくなりますね。
行った感想も伝えないと思います。

そうすると、この絵本のような温かい感情の交わりがなく、
孤独、孤立を感じさせてしまうのではないでしょうか。

ビジネスやプライベートでも、誘いに乗らないから、とそこでストップさせるのではなく
その後の報告、感想を伝えることで「共有」できるはず。

「共有」することで、その組織・関係は安心できる場所になり
そこから生まれるものは、この絵本のように温かいものだと思います。

また、「私って、お誘いが少ないの」と思っている人は、
声をかけてもらいやすい場所に身をおき、雰囲気を作っておくといいのかも。

ホーマーが裏口を好んでいたら、物語は違っていますよね。

【局アナnet】貞岡美樹 (フリーアナウンサー・絵本セラピスト)

エリシャ・クーパー 作・絵
きたやまようこ 訳

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