「アベノミクス」の効果かどうかはわからないが、景気は上向きつつあるといわれる。しかし、雇用環境はいまなお厳しい。ここ数年の企業のリストラの波は、強まりこそすれ、一気に弱まることは考えにくい。
一方で転職者の年齢は、不安定な経済状況を反映して上昇を続けている。インテリジェンスの調査では、2013年1月~3月に転職した人のうち、5人に1人が35歳以上(22.6%)となっている。そこには、経験豊富な即戦力を求める採用側の事情がある。
とはいえ、中高年にとって転職は「年収ダウン」がつきまとう。だから、「自分はもう40歳だし、いまの会社にしがみつこう」……そう考えるのも無理からぬことかもしれないが、定年まで勤められる保証はない。このご時世、給料も下がる一方だ。
『成功する40代・50代の転職術』(日本実業出版社/刊)では、中高年でも希望の年収、希望の職種で転職を果たせる具体的な方法を紹介している。
著者は、これまでにのべ4000人以上の転職活動を支援してきた佐々木一美(ささき・かずよし)氏。そのうちの7割が40歳以上の中高年である。2013年3月末時点で、佐々木氏が直接指導した人は1544人にのぼり、1407人を60日以内という短期間で希望どおりの転職に導いている。なんと、91.1%の成功率を誇っている。
40代・50代が転職に成功するための方法はいたってシンプルだ。それは、「応募する」ことだ。
「そうはいっても年齢のせいで、面接に呼ばれないし、そもそも応募先すらない」と思う人は多いはず。しかし、本書のノウハウで、週に20社以上の応募が可能になり、書類選考通過率も飛躍的に高まるようになる。
具体的には、
・求人は、すべての情報源を同時並行で常にチェックする(それぞれのチャンネルの特徴を把握し、偏りのないように探す)
・年齢などの求人条件、応募方法は無視する(条件破壊応募)
・応募書類には必ず「自己PR文」を添付する
・どんな人を採用したいのか、面接官に逆質問をする
・面接の際に出された条件はひとまず“丸呑み”する
・ 内定が出た後に、給与・待遇の交渉を行なう
などの特別なノウハウが必要になる。
転職「35歳限界説」が崩壊し始めている今、40代・50代の求職者はもちろん、現在の会社の将来や給料に不安・不満を抱えている人も、本書を読んで自分や家族のために転職を検討してみてはどうだろう。
成功する40代・50代の転職術