本を知る。本で知る。

重度知的障害・自閉症の息子と、ネグレクトされて育った母がたどり着いた「幸せ」

2歳半のみっちゃんがくれたもの

 実年齢15歳、精神発達年齢2歳半。重度知的障害で自閉症の息子と、かつてネグレクトを受けた母親は、笑顔あふれる家庭をどうつくったのか?

 4人家族の日常をYouTubeで発信しているみっちゃんママさんの著書『2歳半のみっちゃんがくれたもの ネグレクトされた母親が重度知的障害・自閉症の息子と世界一明るい家庭を築くまで』(KADOKAWA)が、2023年8月10日に発売された。

『2歳半のみっちゃんがくれたもの』みっちゃんママ 著(KADOKAWA)書影
『2歳半のみっちゃんがくれたもの』みっちゃんママ 著(KADOKAWA)

 現在中学3年生のみっちゃんは、重度知的障害・自閉症でIQ19。3歳の時に診断を受け、医者から「この子は一生喋れないかもしれないよ」と告げられた。ゆっくりと成長し、現在では二語文程度を話せるようになっているという。

 妹のこっちゃんは小学6年生、美容に目覚めた"今どき女子"。パパはマイペースで穏やかなオアシス的存在。でも、みっちゃんも含めて、ママ以外の全員が極度の偏食だという。

左からパパ、みっちゃん、ママ、こっちゃん
左からパパ、みっちゃん、ママ、こっちゃん

 みっちゃんママさんは、生まれた時から実の親にネグレクトされて育った。ずっと自己肯定感が低く、小学生の頃から「いつ死んでもいい」と思っていたそうだ。結婚と出産で初めて幸せを感じたのもつかの間、みっちゃんの障害を診断され、「普通の幸せも許されていないんだ」と心が折れそうになったという。それでも、たくさんの支えや子どもたちの存在のおかげで「楽しくやってこられた」とつづっている。

常に課題が山積みで、葛藤の毎日......それでも、私は今が一番幸せなんです。

 みっちゃんのこだわりや何時間も続くパニック、波乱だらけの外食や家族旅行など、一家にはハプニングが絶えない。試行錯誤しながらたどり着いた、4人の家族論とは。

 本書には自閉症児への対処法、偏食の人の食事事情、「きょうだい児」のケアなど、同じような課題を抱えている人のヒントになる体験談がたっぷりと語られている。さらに、「障害について、さらっと話せる社会になったらいいな」という願いも込められている。

みっちゃん家族4人の写真

〈目次〉
序章 ネグレクトされたママに愛しい家族ができるまで
第1章 自閉症のみっちゃんの優しい世界へようこそ
第2章 みっちゃんの「こだわり」行動を攻略する!
第3章 学校とデイサービス、環境の変化で得たもの
第4章 超「偏食」な家族のカオスな食生活
第5章 きょうだい児の心のケアについて考える
第6章 ママ、自分と家族を労わるコツを模索する

みっちゃんとママの写真

■みっちゃんママさんプロフィール
1980年生まれ。水産業を営む両親のもと3人きょうだいの末っ子として誕生するが、母からは早々に育児放棄され親戚の家に頻繁に預けられて育つ。28歳のときに生んだ「みっちゃん」は自閉症と診断され、精神発達年齢(言語、発語)2歳半、IQは19(15歳時点)。2019年よりYouTube「Hikari KizunaTV」を開設。自閉症の息子「みっちゃん」と偏食の娘「こっちゃん」、楽天家のパパたちとの日々を切り取った動画は多くの人から応援されている。
YouTube:https://www.youtube.com/c/TVHikariKizuna


※画像提供:KADOKAWA


    
  • 書名 2歳半のみっちゃんがくれたもの
  • サブタイトルネグレクトされた母親が重度知的障害・自閉症の息子と世界一明るい家庭を築くまで
  • 監修・編集・著者名みっちゃんママ 著
  • 出版社名KADOKAWA
  • 出版年月日2023年8月10日
  • 定価1,540円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・224ページ
  • ISBN9784046063137

エッセイの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?