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脳性麻痺の息子の車椅子を、ピンヒールで押すことに決めた。24年間の成長記録

ピンヒールで車椅子を押す

 重度の脳性麻痺の息子とともに一般社団法人HI FIVEを立ち上げ、大学・企業などでの講演活動や研修をおこなっている、畠山織恵(おりえ)さん。畠山家の成長をつづり、すばる舎とTSUTAYA共催の「第1回 日本ビジネス書新人賞」でプロデューサー特別賞を受賞した『ピンヒールで車椅子を押す』(すばる舎)が、2023年7月7日に発売された。


 19歳の時に妊娠し、家出同然で実家を飛び出したという畠山さん。帝王切開で生んだ息子・亮夏さんは、なかなかミルクを飲まず、飲んでもげっぷで吐いてしまう子だった。育児の大変さに加えて、早く母親になったせいで、友達はみんな学生だったり働いていたりして、相談できる相手もいない。どうしてこんなに育てづらいのか......亮夏さんが生後9か月のとき、その原因がわかる。

「あー、これは脳性麻痺ね」
「お母さん、どうしてもっと早くに連れてこなかったの?」

 初めての育児に立ちはだかった、障害という大きな壁。わからないことだらけの日々に悩み、苦しみながら、畠山さんはどのようにして希望を信じて育ててきたのか。

 亮夏さんは、今では「動けないけど社長。話せないけど大学講師」。障害のあるなしにかかわらない「ボーダレスなコミュニケーション」の実現を目指して、日々活動している。そんな亮夏さんを支える畠山さん自身も、「ピンヒールで車椅子を押す」と決めておしゃれを思い切り楽しむ姿が、「障害のある子のお母さんのイメージと違う!」と注目を集めている。さらに、障害児保護者向けファッションを提案するなど、「自分らしさをあきらめないで」というメッセージを発信し、障害のある人やその家族を勇気づけている。

 もしもあなたの子どもに障害があると言われたら、あなたはそのとき、どう思いますか。
 絶望でしょうか。
 それとも、未来への希望でしょうか。
 これは誰よりも自分を信用できなかった少女が、障害とともに生まれたわが子を、誰よりも自分を信用できる子に育てようと挑んできた、23年間にわたる親子と家族の成長記録です。 (「まえがき」より)

■畠山織恵さんプロフィール
はたけやま・おりえ/大阪府堺市生まれ。重度脳性麻痺の息子との暮らしと、能力開発事業に12年間携わった経験を踏まえ、2014年障害児ゆえに不足する「体験・経験」を五感で習得する【GOKAN療育プログラム】を独自監修。障害児支援施設を中心に20施設500名以上へ療育を提供。2018年6月、息子とともに一般社団法人HI FIVE設立。介護・医療従事者向け研修、専門学校や大学での講師を務めてきた。



    
  • 書名 ピンヒールで車椅子を押す
  • サブタイトル「自分をあきらめたくない」人に贈るとある親子の物語
  • 監修・編集・著者名畠山 織恵 著
  • 出版社名すばる舎
  • 出版年月日2023年7月 7日
  • 定価1,540円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・360ページ
  • ISBN9784799111451

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