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「ガッキーロス」のノリ、気持ち悪くなかった? 男性がフェミニズムについて考えたこと

おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門

 最近テレビやネットを見ていて、「むむ?」と違和感を覚えることが増えた。ジェンダーの知識や問題意識、今さらだけど、アップデートできていない気がして不安。ルッキズムはよくないと思うが、外見に囚われてしまう自分もいる。「男らしさ」を追い続けることに、いい加減疲れた――。

 そんな「ジェンダー」に関する悩みを持つ人たちにオススメなのが、2023年6月10日に発売された清田隆之さんの新著『おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門  ――暮らしとメディアのモヤモヤ「言語化」通信』(朝日出版社)だ。

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 本書は、40代、双子を育てる父であり、フェミニズムに日々向き合う文筆家でもある清田さんが、日常の中でなんだかモヤモヤしたこと、これって変じゃない? と思ったことを言語化したエッセイ集。ジェンダーをめぐる時事問題や育児のこと、メディアやコンテンツ、自身のパワハラ経験など多岐にわたるテーマを扱った44本のエッセイが収録されている。

 マジョリティである〈男〉として考えること。恋バナがしづらくなっていく雰囲気。「ガッキーロス」の〝ノリ〞の気持ち悪さ......など、日常に潜むジェンダーのモヤモヤが、自己矛盾も罪の意識も正直に、縦横無尽に綴られた1冊だ。

【目次より】

第1章
〈男〉について考え続けた2年間のこと
恋バナは楽しい。でも、どんどんしづらいものになっていった/痴漢被害に憤る女、痴漢冤罪に怯える男/男たちは自分のことをわからないままでいいのか...

第2章
コロナと育児と生活の限界
子どもの成長はあっという間。でも、大人の1年だってそれなりに長い/自分を許してくれない〝リトル清田〞の厳しさ/子どもが風邪をひくと一瞬で詰む日々...

第3章
#stayhomeと令和のエンタメ
朝ドラの弱くて優しい男たち/阿佐ケ谷姉妹に感じた〝男性的〞ではない笑いの感覚/「ガッキーロス」に独禁法まで持ち出す〝ノリ〞の気持ち悪さ...

第4章
心を開いて、清田くん!
恋愛のモヤモヤに潜む政治意識のズレ/「暴力とコミュニケーションが紙一重」の領域で傷つく男性たち/「お茶する」ことの醍醐味、ガールズトークの文化に学んだこと...

■清田隆之さんプロフィール
きよた・たかゆき/1980年東京都生まれ。文筆業。恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒。これまで1200人以上の恋バナに耳を傾け、恋愛とジェンダーをテーマにコラムを執筆。朝日新聞be「悩みのるつぼ」では回答者を務める。単書に『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)、『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(扶桑社)、澁谷知美氏との共編著に『どうして男はそうなんだろうか会議──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと』(筑摩書房)、トミヤマユキコ氏との共著に『文庫版 大学1年生の歩き方』(集英社)などがある。


※画像提供:朝日出版社

  • 書名 おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門
  • サブタイトル暮らしとメディアのモヤモヤ「言語化」通信
  • 監修・編集・著者名清田隆之 著
  • 出版社名朝日出版社
  • 出版年月日2023年6月10日
  • 定価1,925円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・264ページ
  • ISBN9784255013398

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