ドキドキ、ムカムカ、モヤモヤ......仕事で感じがちなストレスのタイプによって、あなたの「ストレス思考」の特徴が見えてくるかも。
『仕事のモヤモヤ・イライラを止めて自分を取り戻す 小さなルーティン』（あさ出版）は、仕事で疲れないため、ムダに消耗せず働くためのマインドを身につけるための1冊。
仕事でストレスを感じる原因である「ストレス思考」を手放し、自分らしく働くために必要な「自己肯定感」と「メタ認知能力」をバランスよく高める方法や、それらを育てるために取り入れたい日々のルーティンを解説している。
「意見を言っても聞いてもらえない」、「まわりから評価されていない」、「自分ばかり頑張っている」......そんなモヤモヤを抱えながら日々の仕事に取り組んでいる人や、仕事で結果を出していてもストレスをためてしまう人は開いてみてほしい。
本書によると、自己肯定感とは、「他者と比べることなく、ありのままの自分を認める気持ち」。一方、メタ認知力とは「自分の考えや自分が置かれている状況を俯瞰的に見る力」だとしている。
今の自分がこれらをどのくらい身につけられているか、本書に収録の「ストレス思考チェック」で確認してみよう。仕事のつらい状況を思い浮かべながら、以下の質問に答えてみてほしい。
無印の設問は「とてもよく当てはまる」...4点、「やや当てはまる」...3点、「あまり当てはまらない」...2点、「まったく当てはまらない」...1点、★がついた設問は「とてもよく当てはまる」...1点、「やや当てはまる」...2点、「あまり当てはまらない」...3点、「まったく当てはまらない」...4点とし、答えの数字を合計しよう。
・自己肯定感チェック
1. 自分の仕事ぶりにだいたい満足している
2. 自分にはけっこう長所があると思う
3. 同僚と同じくらいにはものごとがこなせる
4. ときどき、自分は職場で役に立っていないと強く感じる（★）
5. 自分の仕事ぶりをもう少し肯定できたらいいなと思う（★）
6. 自分のキャリアを前向きに考えている
・メタ認知力チェック
1. 仕事に取り組むとき、自分に期待されていることがわかる
2. 仕事をするとき、最も効果的な方法を考えてから取り組む
3. 仕事でうまくいかないとき、進め方やコミュニケーションの仕方を変える
4. 意識的に立ち止まり、自分の理解や周囲の状況を確認している
5. 相手の言いたいことや思っていることを読み取ることができる
6. 言わないつもりでいることを、つい口に出してしまう（★）
いかがだっただろうか。それぞれ、合計18点以上なら高い自己肯定感（メタ認知力）がある状態で、本書で目指すのがここだ。合計13〜17点なら、平均的な自己肯定感（メタ認知力）。合計12点以下なら、低めの自己肯定感（メタ認知力）とされている。
チェックリストで自分の状態を把握したら、3つのストレス思考タイプのどれに自分が当てはまるか確認してみよう。
・TYPE1...「仕事でドキドキ」タイプ。自己肯定感（低）、メタ認知力（低）
・TYPE2...「仕事でムカムカ」タイプ。自己肯定感（高）、メタ認知力（低）
・TYPE3...「仕事でモヤモヤ」タイプ。自己肯定感（低）、メタ認知力（高）
そして、自己肯定感とメタ認知力のどちらも高い理想の状態を「リーダータイプ」としている。
自己肯定感もメタ認知力も低い状態の「仕事でドキドキ」タイプは、自信が持てず挑戦できない、自分を客観視できず思い込みにとらわれやすいなどの傾向がある。
自己肯定感は高いもののメタ認知力が低いのは「仕事でムカムカ」タイプ。「がんばっているのに十分に評価されていない」、「自分だけが大変な思いをしている」などの悩みを抱えがちなようだ。
そして、自己肯定感は低い一方でメタ認知力は高い人は「仕事でモヤモヤ」タイプに当てはまる。このタイプは、肩書きや年収アップなど上を目指しているものの幸せを感じられなかったり、他者の些細な言動で一喜一憂してしまったりする特徴があるという。
それぞれ、自己肯定感やメタ認知力の低い部分を高めることで、よりストレスの少ない状態で毎日の仕事に取り組めるようになるはずだ。本書では、それらを高めるための日々のルーティンも、具体的なやり方が豊富に紹介されている。次回はその一部をご紹介しよう。
■福所しのぶさんプロフィール
ふくしょ・しのぶ／博士（工学）、国家資格キャリアコンサルタント、弁理士。東京工業大学大学院修了。特許業界に進んでわずか1年で弁理士試験に合格、遺伝子や医療分野の特許を主に担当。弱冠39歳での共同経営者就任や大学非常勤講師など精力的に活動するも、高安動脈炎という自己免疫疾患が発覚する。その経験から、自分らしいキャリア形成の重要性を実感し、現在は脳科学に基づくコーチング・スキルを活かしながら大学等でセミナー登壇やキャリアメンターとして活動中。一児の母。
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